▼ ※本誌ネタバレ注意 ページ34
男の子は口に巻かれた包帯を気にしながら、小さくもしっかりとした声で私に言った。
伊「……ありがとう、助けてくれて」
「ん、どういたしまして。
気にしなくてもいいわよ、これが私達の仕事だもの」
頭を撫でると、緊張や戸惑いの雰囲気を出しながらも大人しくしてくれていることから、恐らく頭を撫でられることそのものの行為に慣れていないんだろうなと思った。
こんなにも小さな子供が、今まで鬼の恐怖に怯えて生きていたんだ。
こういう場面に会えば会うほど、己の未熟さを痛感する。
もう少し巡回も気を引き締めてあたらなければ。
「そういえば、まだ名前を名乗っていなかったわね。
私の名前は
伊「……伊黒、小芭内」
「そう、小芭内と言うのね」
よかった、名前はちゃんと名付けられていたみたいだ。
もしかしたら、将来生け贄として捧げられるだけの人間だから名前を名付けられていないかもしれないとも考えていたから。
あぁ、自分の鬼の目が忌々しい。
ちゃんと目と目を合わせてお話ししたかったのに。
これも全て奴のせいだ。
今頃安全な場所でのんびりしているかと思うとイライラする。
殺気を出してしまいそうになるのをなんとか抑え、笑みを絶やすことなく小芭内に話しかけた。
「小芭内、今日1日色々なことがあって疲れたでしょう?
一先ず、ここを離れて療養できる場所へ行きましょう?」
伊「……どうして」
「ん?」
小芭内は羽織を握る力をさらに強めた。
このままだとシワになってしまうが、そんなものは今どうだって構わない。
撫でる手をそのままに、私は小芭内が続きを話すのを待った。
伊「どうして、見ず知らずの人間にそこまでする?
従姉妹の言葉を聞いただろう。
俺は人を殺して私腹を肥やす汚い血族の人間だ。
俺なんかに構うな」
そう言うと、小芭内は顔を横に向けて黙ってしまった。
……んー。
これは、何と言えばいいのだろうか。
俺に構うなと言いつつ、羽織から手を離す気配は感じられない。
きっと先程の言葉は本心ではないのだろう。
そっぽを向いているのは照れ隠しなのか?
それとも、もう顔を合わせたくないという意思表示か?
表情が見れないからよくわからないが、これだけは言える。
「小芭内は、汚くなんてないわ」
゚.+:。.+:。゚.+:。.+:。゚.+:。.
鏑丸よ、出番無くてごめんね(-人-;)
改めて188話読むと泣けてくる…
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
86人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灰色サーモン - σ(・ω・)σさん» 返信遅れてすみません、、、!そうですね、私声真似得意なのでやってみますね! (2020年5月27日 23時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - σ(・ω・)σさん» こちらこそありがとうございます!応援してます (2020年4月29日 22時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - 林檎の乙女さん» コメントありがとうございます(*´艸`*)林檎の乙女さんもコロナ気をつけてくださいね…。更新不定期で申し訳ないですが、頑張ります! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - 作者さん、この物語を創ってくれてありがとうございます!これからも楽しみにしてます。コロナで大変ですが、お身体にお気を付けて頑張って下さい! (2020年4月29日 8時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - スモークサーモンさん» 語尾に!つけれるくらいなら元気な証拠ですね(笑)そういう時はしのぶさんボイスで「いつか冨岡さんみたく嫌われますよ〜」と言った後に伊黒さん並のネチネチ攻撃で撃退しましょう!最後に悲鳴嶼さんボイスで「かわいそうに…」というのもお忘れなく(笑) (2020年4月26日 11時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:σ(・ω・)σ | 作成日時:2020年3月17日 18時