▼ ※本誌ネタバレ注意 ページ31
※第肆章タイトル少し変えました!
※伊黒さんの過去ネタバレ警報発令中!ご注意ください!!
※少し話を改変してます
これでもかなり急いだほうなのだけど、既に多くの人が鬼に殺されていた。
ホウスケにすぐ隠を連れてくるように頼み、私は鬼の気配がするほうへと走った。
まだ生き残りがいるかもしれない。
そんな期待を抱きつつ、地を這いずるような音と汚ならしい女の声、そして荒い息遣いが聞こえてくる方向へ勢い良く跳躍した。
下半身が蛇のような女の鬼が、小さな男の子の髪を掴んで食べようとしているところが、包帯越しにはっきりと見えた。
「夜の呼吸、壱の型。
静夜の来襲」
一気に抜刀し、鬼の頸と手を斬りつけてから優しく男の子を抱き上げて鬼から引き離した。
男の子は最初私の腕の中で暴れていたが、私が鬼ではなく人間だとわかると安心したのか力を緩めた。
先程まで奇声を発していた蛇鬼が完全に消滅したのを見届けてから、私は男の子にしっかりと向き直った。
目立った外傷はなさそうだが、逃げてる最中に転けたのか膝からは血が滲み出ている。
「……怪我をしているわ、早く手当てをしないと。
ぼく、歩けるかしら?」
男の子は話したくないのか、それとも先程までの恐怖で話せないのか、口許に宛がわれた包帯を手で押さえつけて激しく首を横に振っている。
んー、これは歩けないと言ってるのか、それとも気にしないでという意味なのか……。
あぁでも、フードを目深に被って刀を持った奴なんて怪しすぎて話したくもないか。
「安心してちょうだい?
決して怪しい者ではないわ。私は貴方の味方よ」
包帯をとることはできないため、せめてもと思い目深に被っていたフードを取って男の子の身長に合うように膝をついた。
「こんな得たいの知れない人間信用してもいいのかどうか疑わしいでしょうけど、今だけは私を信じてくれないかしら?」
男の子は終始無言を貫いていたが、少秒経った後に私の羽織の裾を遠慮がちに握りしめてから小さく頷いた。
私はそれを見てにこりと微笑み、男の子に背を向けた状態で座り込み首だけを後ろへ向けた。
「それじゃあ行きましょう。
背中に乗って?
近くに怪我の治療をしてくれる人が来てるはずだから、そこまで連れていくわ」
遠慮がちに手が肩に置かれ、背中にぴったりと身体がくっつけられたのを確認してから、私は男の子を背負って隠がいる方向へとゆっくり歩き出した。
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
86人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灰色サーモン - σ(・ω・)σさん» 返信遅れてすみません、、、!そうですね、私声真似得意なのでやってみますね! (2020年5月27日 23時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - σ(・ω・)σさん» こちらこそありがとうございます!応援してます (2020年4月29日 22時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - 林檎の乙女さん» コメントありがとうございます(*´艸`*)林檎の乙女さんもコロナ気をつけてくださいね…。更新不定期で申し訳ないですが、頑張ります! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - 作者さん、この物語を創ってくれてありがとうございます!これからも楽しみにしてます。コロナで大変ですが、お身体にお気を付けて頑張って下さい! (2020年4月29日 8時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - スモークサーモンさん» 語尾に!つけれるくらいなら元気な証拠ですね(笑)そういう時はしのぶさんボイスで「いつか冨岡さんみたく嫌われますよ〜」と言った後に伊黒さん並のネチネチ攻撃で撃退しましょう!最後に悲鳴嶼さんボイスで「かわいそうに…」というのもお忘れなく(笑) (2020年4月26日 11時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:σ(・ω・)σ | 作成日時:2020年3月17日 18時