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食卓はまたいつものように戻った。
お隣の近藤さん家3人と、神楽と神威それに銀さんで
みんなでグツグツと煮えたぎる鍋を囲んだ。
阿伏兎のおじさんも社会人として
近藤さんと馬が合うのかすっかり雰囲気に溶け込んでいた。
「阿伏兎のおっちゃん。私、この人とね…」
ご飯をたらふく食べ、近藤さん家は帰り、
神楽はお風呂に入り、神威はリビングでそのまま寝ていて
落ち着いた頃に話を切り出した。
「言わんでも分かってらァ。…Aちゃんの、情人なんだろ。」
「…うん。」
が、阿伏兎さんにとっくにバレていたみたいで、
1人で必死に隠そうと空回りしていたのが、すごく恥ずかしくなった。
「Aちゃん、見ねェうちにだんだん旦那の奥さんに似て綺麗になってきたなァ…。
垢抜けたとこ見てっと、情人が居てもおかしくはねーだろうって予想はしていたさ。
…お前さんもそーいうAちゃん見てきて、惚れたんだろ?」
「……はい。ごもっともです。」
何も言い返すことなく、銀さんは顔を次第に赤くして下を向いて言った。
こんな図星突かれて縮こまってる銀さんがなんだか新鮮でとても可愛かった。
けど、一つ気になることがある。
「見てきてって…おっちゃん、銀さんのこと知ってたっけ?」
「Aちゃんの三者面談で何回か。」
「!」
そうだ…。隠す前提に、私が中学生の時
三者面談のたびに阿伏兎のおっちゃんに学校来て貰ってたんだ…!
「ははは…。」
馬鹿だ。馬鹿すぎるよ私…。
「Aちゃん、大丈夫か?」
「うん。…とりあえず、まだお父さんには言わないでもらってもいいかな。
父さんが帰って来たときに自分で直接言いたい。」
「俺もそのつもりさ。…あんまし、面倒事に巻き込まれたくないんでねェ…。」
「だよねェ…。それに、銀さんの命の保証も無いわけだし…。
少し死期が延びただけでもマシというか…。」
「えっ…ちょっと、なに。命の保証がないって、どゆことぉ!?」
「そうそう…。お前さんもまた、やっかいなとこに入っちまったねェ…。
まぁ、頑張ってくれや、センセー。」
「なんすかその、哀れみの目と肩を叩く仕草…。やめてぇえ!?」
その後、2人の話が弾んだのか銀さんは次の日学校があるっていうのにお酒を飲み、
阿伏兎さんも2日酔いで朝、帰っていった。
阿伏兎さんにはとても感謝はしているけども、
でも出来れば、今度はアポありでうちに来て欲しい。
手の込んだおいしいご飯出したいので。
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作者名:夢路 | 作成日時:2016年1月17日 14時