海の匂いがする (ページ4)

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ｷｨ……ｶﾗﾝｶﾗﾝ♪

「いらっしゃいませ。2名様ですか？」
カニ「あ、はい。予約も何もしてないんですけど、空いてます？」
「2階屋外のテラス席ならご用意できます。よろしいですか？」
カニ「！じゃあそこで。」
「では、ご案内いたします。階段を上って頂きますので、足元にお気をつけください。」

中に入るとすぐ、ウェイター姿の美人な女の人が対応してくれた。
“テラス席”と聞いた瞬間に目の前の男がまた嬉しそうに揺れた気がした。「良かったねぇー(棒)」と心の中であしらってから、素直にウェイターさんについて行く。

カニ「なぁらだお、中もめっちゃ綺麗じゃね？」
らだお「ね。この街にしては、こんなに明るくて暖かい雰囲気のお店って珍しいかも。」

入ってすぐに目を引いた中央の大きなクリスタルシャンデリアは金色の光を注ぎ、それを囲むようにパステルカラーの薄い青と緑のクロスが敷かれた丸テーブルが置かれていた。“新しいお店”なこともあってか、１階はどこも満席。
これまた美人なウェイターさん達が忙しなく動き、右側に並ぶカウンター席の更に奥は見えないが恐らく厨房。中央奥のどデカ階段は俺たちが登るであろう階段だろう。

「こちらでございます。注文が決まりましたら、お呼びください。」
カニ「あざっす。」
らだお「ありがとうございま〜す。」
「とんでもありません。失礼いたします。」

ニコッと笑顔を添えてお辞儀をひとつ残してまた足早に戻って行ったウェイターさんを目で送り、夜風が気持ちいいテラス席に向かい合って座る。

カニ「っぱ混んでんな〜。予約ナシでこんな良い席とかラッキーだったな。」
らだお「ね。メニュー表は？」
カニ「これじゃね？うぉ、これにもシンプルだけど星の砂っぽい模様あるぜ。」

凝ってんね〜。とウッキウキなのをもはや隠さずメニュー表を開く成瀬を微笑ましく思いながら、自分も気分に合いそうな料理と、忘れずに酒をチェックする。

らだお「やたら規模のデカいコンセプトバーみたいな…」
カニ「だとしたらデカすぎだろwていうか、もはや高級レストランって呼んでも良さそう。」

豊富なメニューと聞いていた通りの良い銘柄のアルコールの並びに頭を悩ませながら、頼む料理を絞っていく。

カニ「何にする？料理は適当に頼むとして、お酒な〜·····。」
らだお「こうしてみるとやっぱりバーなんだな。お酒の欄が多い。」
カニ「ん〜·····。」