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今日は歌番組の収録だ。早々に楽屋に着いた俺は上着を脱ぎ捨てて中央にある大きいソファにどかっと座った。
「こら。ハンガー使いなさいハンガーを」
そう言いつつ俺の上着を掛けてくれる涼雅は本当に優しいと思う。
程なくして挨拶してくる、と楽屋を出ていった涼雅を見送った俺は、備え付けてあったコーヒーを淹れて再びソファに座った。
コンコン。
「どうぞ」
聞こえてきた音に反射的に返事をすると、何やらカラフルな奴らが入ってきた。まって何人いるの。
「本日共演させていただくIDOLiSH7です!よろしくお願いします!」
IDOLiSH7…あぁ、たしかBorWでTRIGGERに勝ったグルーブだっけ。生憎俺はテレビは殆ど見ないので共演した人しか知らない。
「ん。よろしくな」
俺はにっこり笑ってマネージャーらしき女の子の頭を撫でるとIDOLiSH7のメンバーを見回す。…と、そこで見慣れた赤を見つけた。
目が合った赤はぱぁぁあっと花が咲くように笑って俺に飛びついてきた。……うん、可愛い。
『は!?』
IDOLiSH7のメンバーが俺と赤を凝視して目を見開いている。
俺は首元に擦り寄ってくる赤……陸の頭を撫でて背中をぽんぽん叩いた。
「おおおい!陸!何してんだ!?」
「大先輩になんて事を…!」
IDOLiSH7のメンバー達(一部を除く)目に見てわかるくらいオロオロしている。そりゃそうか。
傍から見たら「大先輩にいきなり抱きつく不躾な後輩アイドル」だもんな。
「陸……言ってないの?ていうかどうしてここに?」
「俺、今アイドルやってるんだ!天にぃとも共演したんだよ!」
「へぇ、天とも……って陸お前気管支…」
「治ってはいないけど、ライブやりきれるくらいには体力ついたんだ!」
「そっか……頑張ったな」
俺は陸の頭をわしゃわしゃ撫でた。陸は「へへっ」と心地よさそうに笑う。
「あの、そろそろご説明願いたいのですが…」
おずおずと黒髪の子が話しかけてきた。
おっといけない忘れてた。
「んーと、改めて暁 空もとい七瀬 空です。弟がいつもお世話になってます。みんなよろしくね」
『えぇっ!?』
「七瀬さん、お兄さんもう一人いたんですか?」
「うん!」
「空、か。じゃあ、空ちゃんだな」
「……環くん?」
陸はどうやら仲間に恵まれたみたいだな。
目の前で言い合いをするIDOLiSH7を眺めて、俺は思ったのだった___。
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アイナナはこおし - 8番めっちゃ続き気になる! (2020年5月3日 2時) (レス) id: 3d2c97c996 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - オリキャラ多くないですか? (2018年2月4日 11時) (レス) id: 8632d56fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あね | 作成日時:2016年11月22日 17時