全日本の深津弟は人見知りな遅咲き選手

お風呂あがり ページ3

中学時代から書き続けているバレー日誌を書き終えたところで今日のルームメイトの柳田くんが部屋に入ってきた。


柳田｢凛、頭乾かさないと風邪ひくから…｣

と僕の頭にタオルを被せクシャクシャと拭いてくれる柳田くん


凛｢ほっといたら乾くかなと……｣

柳田｢風邪ひいたらどうすんだよ｣

凛は人生この方小学校？幼稚園？からずっと風邪を引いたことがなく、大丈夫ですと言えば

柳田｢とりあえず拭いてやるから明日からはちゃんと乾かせよ。……つかそれ日誌毎日書いてんの？｣

年季の入ったすこし厚めのキャンパスノートにはバレー日誌と書いていて、ちゃんと名前まで書いてある。

凛｢はい。えと…中学時代から書いてます。中学時代リベロだったときはまだあまり上手くなくて悔しくて気づきとか褒められたこと叱られたこと、気づき、その日の調子、相手選手のこと、チームメイトのこと、体調、体重、食べたもの全部書いてます。ある意味日記みたいになってますが……｣

まだ人見知りで俺とチョイチョイというかチラチラと目線を合わせながら凛は小さな声で呟く。
素直に俺はすごいと思った。流石に中学からこういうの書いてるやつは中々いないし、プロになっても書く人書かない人がいる。ちなみに俺は書かない。

西田から聞いていたが、ポーカーフェイスで人見知りで悔しさなどあまり表に出さないというか分かりにくいから高校時代チームメイトに誤解されていたの見たって聞いていたけど、中身はかなり努力家で負けず嫌い。西田はそんな凛の表情を読むのが上手い。俺は未だにまだ分からないが、ここまでしてるんだ。かなりの努力家で負けず嫌いだと思う


柳田｢お前…怖いぐらい努力家だな。負けてらんないな俺も｣

凛｢僕も負けません。まだ全然ですが、柳田くんのサーブが今よりもっと返せるようになったらもっと僕強くなれる気がします。｣

タオルドライでほぼ乾いた凛の髪を軽く整えると

柳田｢今年の新人は怖いな｣

と笑った。


ほんと頼もしい奴らだ

撮影→←全日本強化合宿

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