秘密の迷信らしからぬ盲信 ページ21
「…アンタたちのせいで全部台無しになったのよ！！
アンタたちなんか生まれなきゃ…！！こんなことにはならなかったのに！！
責任取りなさいよ！！親の言うことくらい聞けるでしょう！！」
怒鳴り散らかして、私ときりやんを責める母親。
私は世界中の人の手を借りても数えきれないほど何度も聞いてきた。こんな八つ当たりの言葉を。
きりやんだって、私たち両手でギリギリ数えきれるくらいの回数は聞いていると思う。
だから、今更こんなのどうも思わなくなった。
そもそも、これが私たちにとっては最高の愛され方だった。
“他”を知らないから、この
でも、誰かが入ってくれば、態度が一変する。
「あ、○○さん？入ってちょうだい。すぐに紅茶を用意するわ。
…アンタたちは地下にでもこもっときなさい。」
まるでさっきの出来事を無くならせるかのように、そう言った。
そして、誰にも聞こえないようなくらい小さい足音を鳴らしながら、私たちは地下に行った。
あの虐待は、私たちと母親以外誰も知らない秘密の事。
そして、この地下の存在も、私たちと母親以外知らない秘密の場所。
「…何もしてないでしょうね。」
そう聞かれて、すぐ浮かぶのはたった一言。
『何もしていません。』
…否定でもあり、肯定でもある明確ではない言葉。
でも母親はそれを
だから、母親は知らない。
「…開いたよ。出よう？姉さん。」
力の強いきりやんが鉄格子を無理矢理破壊していることを。
私たちが母親を恨んでいることを。
外に出て自由になろうと、企んでいることを。
そして、
母親の本当の弟であるきんときの体の近くに、弟切草があることを。
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弟切草(おとぎりそう)…「秘密」「迷信」「盲信」「恨み」
迷信…誤って信じること
盲信…訳も分からず信じること
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暁月・月夜(プロフ) - 彼とお客様の身に何が起きたのでしょうか？そして、人と人の関係は時に脆く時に残酷なものへと変化していくものなのです｡さて、続きまでお待ちくださいませ｡ ……月の物語でした｡ (2022年9月27日 18時) (
レス) id: b01ef2f9d3 (このIDを非表示/違反報告)
avis - 世界はいつか、荒廃して行くものです。それは人間も同じで、誰もが美しく生きることは出来ません。世界では、数多もの醜く生きる人がいます。しかし、それはしょうがのないこと。美しくても醜くても、差別だけはしないようにしましょうね。…深淵の物語でした。 (2022年6月3日 16時) (レス) id: 75beaff94a (このIDを非表示/違反報告)
avis - タイトルの通り、誰が誰にこの言葉を言ったのか…それは誰にも分かることは無いでしょう。…深淵の物語でした。 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 死なない彼は、今度どうしていくのでしょう。奇跡の可能性を信じ、無限へと手を伸ばすのか、諦めるのか。それを知るのは彼だけですね。…深淵の物語でした。 (2022年5月1日 19時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 森羅万象が代替するのは、人間の云う浅はかな願いなようです。御客様は森羅万象を説くつもりはないようですけれどね。…深淵の物語でした。 (2022年4月29日 8時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：dackmoon 闇月 | 作者ホームページ：http://dackmoon yamiduki
作成日時：2022年1月26日 19時
