検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:2,978 hit

大っ嫌いです。これまでも、これからも。 ページ19

『…はぁ。』

生きてるならするであろう溜息を、私はどれだけ人の両手を借りれば足りるくらい言っただろうか。

所詮関係ないと言ってしまえばないけれど。

いつまで経っても人嫌いな性格は変わんないなと感じる。

「…何してんだ。そんなとこで。」

そう声が聞こえた。

声の主の方へと振り向けば、名前負けしてる無表情の彼…スマイルがいた。

背中には表情の変わらない彼に似合わない宝石が吊り下がった翼が見える。

『ほんと、その翼スマイルに似合わないよね。』

そうやって言ってみれば、無表情のまま返される。

「しょうがないだろ。っていうか変えるのめんどくさいし。

…また人間追い払ったのか?」

『はいはい。そうですよ〜。だって人間がここに来るのがおかしいんでしょ。』

「いやいや、別にここは人間の世界だからな。来るには来るだろ。

ったく、Aがそうやって人間を追い払うからこの場所ヘクソカズラって言われんだぞ。

おまけにマジでヘクソカズラ生えてるし。」

『綺麗じゃん。ヘクソカズラって。

スマイル紫ってイメージあるし私は白ってイメージあるし、私たちにピッタリな花じゃない?』

「色だけな。」

『…あ、魔界に帰っちゃうの?もうちょっといたかったのに…。』

「どうせまた明日会うだろ。」

『…そうだね。じゃあ私も魔界に戻ろっかな。』

そうやって漆黒の翼を生やす。

「ヘクソカズラよりも、よっぽどAの翼の方が綺麗だな。」

『…珍しいね、スマイルが他人の何かを褒めるの。』

「気まぐれだ。じゃあな。」

『うん、またね。スマイル。』



______________________________________

ヘクソカズラ…「人嫌い」

自由強気は愛を生む。→←灰色の薔薇ブーケ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

暁月・月夜(プロフ) - 彼とお客様の身に何が起きたのでしょうか?そして、人と人の関係は時に脆く時に残酷なものへと変化していくものなのです。さて、続きまでお待ちくださいませ。 ……月の物語でした。 (2022年9月27日 18時) (レス) id: b01ef2f9d3 (このIDを非表示/違反報告)
avis - 世界はいつか、荒廃して行くものです。それは人間も同じで、誰もが美しく生きることは出来ません。世界では、数多もの醜く生きる人がいます。しかし、それはしょうがのないこと。美しくても醜くても、差別だけはしないようにしましょうね。…深淵の物語でした。 (2022年6月3日 16時) (レス) id: 75beaff94a (このIDを非表示/違反報告)
avis - タイトルの通り、誰が誰にこの言葉を言ったのか…それは誰にも分かることは無いでしょう。…深淵の物語でした。 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 死なない彼は、今度どうしていくのでしょう。奇跡の可能性を信じ、無限へと手を伸ばすのか、諦めるのか。それを知るのは彼だけですね。…深淵の物語でした。 (2022年5月1日 19時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 森羅万象が代替するのは、人間の云う浅はかな願いなようです。御客様は森羅万象を説くつもりはないようですけれどね。…深淵の物語でした。 (2022年4月29日 8時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:dackmoon 闇月 | 作者ホームページ:http://dackmoon yamiduki  
作成日時:2022年1月26日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。