心の傷は治らない ページ15
空はもう暗く、街の明かりも灯ってきていた｡
そんな中、空は大きな明かりで私達を照らし白く輝いている。
…まるで私を嘲笑うかのように。
『…｡』
ごめんなさい、すみません。
何度その言葉を口に出したのだろう。
失敗した度に、比べられる度に。
何度も何度も呟いた。
私なりに頑張っているのに。なのに。
周りの人は誰一人と私を救おうとはしなかった。
結局は友情なんてただの道具に過ぎないのかな、なんてらしくない事を考え続けた。
毎日毎日罵詈雑言を使われ続ける日々は私の大切な何かを壊していった。
『辛いなぁ……｡』
乾いた笑みに爛れた皮膚と心｡
濡れた頬に何かが欠けた気持ち｡
『っ……う……｡』
思わず溢れた日々の努力、悲しみの結晶｡
誰も頼れなくなって、誰も信用できなくなって。
大切な彼にだって何も言えなくて。
辛くて。
知らなかった。
こんなにも心は傷つきやすいものだなんて｡
そんな事を考えながら泣いていると、突然聞こえたドアが開く音｡
「A……！？」
『緑くん……っあ……｡』
彼の姿を確認すると同時に焦る私の心｡
今の涙を見られていた？心配をかけさせてしまった？迷惑だった？
なんてマイナスな事ばかり考えて体が震える｡
普段はカタコトな話し声も今はカタコトではなくなっている。
慌てて目を擦ると、涙を流す彼の姿が。
『ごめんなさい……ごめんなさい……ッ！』
怖い。
『私を捨てないで……！』
別れ話なんて耐えられない。
そんな事を考えれば、感じる彼の温もり。
暖かくて優しい｡
割れ物を扱うかのように背中に添えられた優しい手。
「…気づけなくてごめん。」
『なんで……｡』
怒らないの？叱らないの？怒鳴らないの？
『っあ…あぁ……｡』
今まで我慢していたものが溢れ出す。
慌てて目を擦ろうとすると握られる手。
「ダメ｡ﾓｳｺｽﾗﾅｲﾃﾞ…？ｱｶｸﾅｯﾁｬｳﾖ。」
「……大丈夫｡俺はずっとAの味方だから｡」
「辛い時は辛いって言っていいよ、泣いていいよ。」
「俺が助けるから。」
「Aを、笑顔にさせるから…！」
「だから、泣かないで。」
「我慢しないで。」
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暁月・月夜(プロフ) - 彼とお客様の身に何が起きたのでしょうか？そして、人と人の関係は時に脆く時に残酷なものへと変化していくものなのです｡さて、続きまでお待ちくださいませ｡ ……月の物語でした｡ (2022年9月27日 18時) (
レス) id: b01ef2f9d3 (このIDを非表示/違反報告)
avis - 世界はいつか、荒廃して行くものです。それは人間も同じで、誰もが美しく生きることは出来ません。世界では、数多もの醜く生きる人がいます。しかし、それはしょうがのないこと。美しくても醜くても、差別だけはしないようにしましょうね。…深淵の物語でした。 (2022年6月3日 16時) (レス) id: 75beaff94a (このIDを非表示/違反報告)
avis - タイトルの通り、誰が誰にこの言葉を言ったのか…それは誰にも分かることは無いでしょう。…深淵の物語でした。 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 死なない彼は、今度どうしていくのでしょう。奇跡の可能性を信じ、無限へと手を伸ばすのか、諦めるのか。それを知るのは彼だけですね。…深淵の物語でした。 (2022年5月1日 19時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 森羅万象が代替するのは、人間の云う浅はかな願いなようです。御客様は森羅万象を説くつもりはないようですけれどね。…深淵の物語でした。 (2022年4月29日 8時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：dackmoon 闇月 | 作者ホームページ：http://dackmoon yamiduki
作成日時：2022年1月26日 19時
