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愛と嫉妬の開花時期 ページ2

私と彼…Nakamuは、付き合ってから丁度二年が経った。

…とてもめでたいことだが、私は不思議に思うことがあった。
それは、最近彼の帰りが異常に遅いこと。
仕事かもしれないが、やはり気になるのが人間の性だ。
…ということで、私は仕事の有給を使って、彼のあとを追ってみた。

…午後9時…。
彼は会社から出た。
いつも帰ってくるのは夜の11時。
絶対何かあるに決まってる。
10分くらいあとを追っていると、一つのお店に入っていった。
怪しまれない程度にお店の中を覗く。

すると、可愛らしい店員さんと、彼が話しているのが分かった。
私は、ひどい孤独感にさいなまれた。
私はいてもたってもいられなくなり、泣きながら家に帰った。

…家に帰って、私は泣き崩れた。
少し泣き止み、私はまるでお酒を飲んだあとの彼のように千鳥足で洗面台へ向かった。

鏡に映る私の顔はやけに無様で滑稽だった。
…彼に、私がつり合うなんてこと、永遠にあり得ないのに…。
彼なら愛してくれると、好いてくれると。そう期待した私が馬鹿だったのか…。

もう何もしたくない。

…玄関の扉が開く音がした。
…彼が帰ってきたのだろう。生憎、出迎える気は毛頭ない。

「え?A?A!!…どうしたの?」
あぁ、浮気をしたのに私の前では優しくするのか。
…彼が何かを持っている。…あの店員さんから貰ったプレゼントだろうな。

『…あの人の所にでも行けばいいでしょ。』
私は浮気をした彼に冷たくそう当たる。

「あの人?…あぁ、あの店員か。別にあの人に興味ないから会いに行く必要はないかな。」
「もうあの人に会うつもりないし。俺が好きなのはAだけだしね。」
『おせっかいはもう要らないよ。どうせその手の奴プレゼントされたんでしょ?』
「されてはないよ。俺はプレゼントする側だから。」
『じゃあプレゼントしに行けば?その愛してる人に。』
「もう…。Aは鈍感だなぁ。だから帰ってきたんじゃん。」
『…え?』

「…ふふ。」

彼は私の前にあたかも私に忠誠を誓うようなポーズをして、プレゼントを差し出した。

「俺から一つ問題。その花の花言葉、調べてみて。分かったら返事ちょうだい?」

彼は部屋に戻った。

スマホを使い、花言葉を調べる。

…策士だね、Nakamuは。

次の日、彼の問題に答えた私は、彼と結婚した。

ブーケトスでは、ピンクの薔薇が108本入ったフラワーブーケが投げられた。




108本のピンクの薔薇の花言葉は、「結婚してください」

親友以上恋人未満→←今宵の御客様へ



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暁月・月夜(プロフ) - 彼とお客様の身に何が起きたのでしょうか?そして、人と人の関係は時に脆く時に残酷なものへと変化していくものなのです。さて、続きまでお待ちくださいませ。 ……月の物語でした。 (2022年9月27日 18時) (レス) id: b01ef2f9d3 (このIDを非表示/違反報告)
avis - 世界はいつか、荒廃して行くものです。それは人間も同じで、誰もが美しく生きることは出来ません。世界では、数多もの醜く生きる人がいます。しかし、それはしょうがのないこと。美しくても醜くても、差別だけはしないようにしましょうね。…深淵の物語でした。 (2022年6月3日 16時) (レス) id: 75beaff94a (このIDを非表示/違反報告)
avis - タイトルの通り、誰が誰にこの言葉を言ったのか…それは誰にも分かることは無いでしょう。…深淵の物語でした。 (2022年5月28日 16時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 死なない彼は、今度どうしていくのでしょう。奇跡の可能性を信じ、無限へと手を伸ばすのか、諦めるのか。それを知るのは彼だけですね。…深淵の物語でした。 (2022年5月1日 19時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)
avis - 森羅万象が代替するのは、人間の云う浅はかな願いなようです。御客様は森羅万象を説くつもりはないようですけれどね。…深淵の物語でした。 (2022年4月29日 8時) (レス) id: 94c750415c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:dackmoon 闇月 | 作者ホームページ:http://dackmoon yamiduki  
作成日時:2022年1月26日 19時

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