犬と月 (ページ13) - 小説

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犬　と　月ページ13

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路地を歩く犬が、月を見上げるように
恋い慕っている。

犬がおれ。
月は、……、

太陽みたい、て言われたりするけどおれは
ずっと前には、俯きがちに歩いている犬だった。

あるとき、夜でも明るい月の光に気が付いて
見上げたんだ。

そこに、きみがいた。

月はいつもおれを見ていた。

柔らかい光で。

ねえ、おれは
おれが太陽みたいでいるのは
どんな日だって、夜には月が照らすから。

ここに居るよ。ずっと待っている。

いつか、きみが手を伸ばして。
そしたら、きっと……

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作者名：an | 作成日時：2019年11月1日 18時