犬と月 (ページ2)

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月の2 ページ2

2016年、卒業の年。
俺らはEXに居た。

俺が行くとこ行くとこ、何故かジェシーがいた。
グループがばらばらにされてた時はなかなか会えなくて。

ジェシーはまだ学校があったけど、現場に行ったら当たり前にジェシーがいるのは楽しかった。

ジェシーからしょっちゅうメールがくるから、仕事関係なく一緒にいることも多かった。

何故か俺にはジェシーの考えてることが嫌になるくらい分かったし、ジェシーは俺がいれば安定した。

メンバーからは『恋人じゃん』て言われて、ほんとそうだなって思った。

だっておれたち磁石だから！てのがジェシーのお得意の台詞だった。
ジェシーらしい表現だよね。

ジェシーがどういう意味でそう言ったのか、実は俺にもよくわからない。
ただ仲良しってこと？
自然にくっついちゃうってこと？
離れられないってこと？

ふだん日本語がちょっとあやしいジェシーだけど、俺は密かに『くっついちゃう』だといいな、と思ってた。

俺の中にジェシーがくっつく磁石のカケラがあればいいのに。

こっそりと、願っていた。

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