きみがいるから仕方ない。 (ページ32)

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シグナルページ32

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なめらかな肌に手を当てて、お腹から首筋までゆっくりとなぞっていく。

こーちはいつも目を伏せたまま。
表情を変えない。

長い睫毛の下の黒目がちな目には色が見えなくて、

こーちの気持ちが知りたくて、

指で肌をこするとメッシュの頭がピクリと揺れた。

唇が少し開く、けど、何も言わない。

いつも絡むと「寄るな、構うな」で逃げ出すこーちだけど
こんなときには何も言わない。

分かりにくい、かもね。

でも、おれには分かる。
こーちの欲しいタイミング。

顎を引く。

睫毛を揺らす。

指先が跳ねる。

細い肩が、上がる。

小さな信号。…ゾクゾクする。

こーちには「変態」て言われる。
そーかな？ふつーだよね？

こんな人がいたら、誰だって。

でもダメ、
こんなこーち、他の人には絶対に見せないよ。

今日も、きみからの信号を受け取るのはおれだけ。

おれにだけ

知らせて

きみのシグナル

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Fin.