きみがいるから仕方ない。 (ページ26)

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ジェスが言うには　2 ページ26

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夜公演の後は会場の時間もあるから、仲良しな俺らでもいつもより少し帰り支度が早い。

大我、慎太郎と樹はもう上着まで着て、明日の仕事を確認すると、じゃね、お疲れ～と帰って行った。

支度がのーんびりな北斗も、もう靴に手をかけている。

俺も自分の荷物をまとめてから、誰かと話していたのか、まだシャワー後の着替えが終わっていないジェシーにそっと近づいた。

「ジェス、さっきはごめん。
目、大丈夫？」

タイミングを逃してしまったけど、悪いのは俺。もう一度、ちゃんとごめんと言いたかった。

言い出しにくかったのは、ジェスにこともないようにかわされたら辛いなと思ったから…。

「…べつに。大丈夫だよ」

…ほら、こんな風に。
Tシャツに袖を通しながら、こっちも見ない。

「そう…」

手が当たった左目を見たら、目尻が少し赤くなっているけど、眼球は大丈夫そうだった。
少し、ほっとする。

シャッターを閉じるみたいにこちらを向かないジェス。
側にはきてみたけれどこれ以上話しかけることはできなくて、なんとなく横顔を眺めた。

昔は、こんな風にジェスと気不味い感じになるなんてなかったな。

いつからかな。ジェスが何か俺に怒ってるみたいな、そんな雰囲気を感じることが、増えた気がする。

(愛想が尽きてきたんじゃない。)
……言葉にしたくない不安が首を擡げる。

これ以上考えちゃダメだ。本当に悲しくなっちゃう。何か違うこと。違うこと。

ジェスの横顔に目をやる。

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