【立海】日々、晴天なり。 3 (ページ32)

今日:8 hit、昨日:36 hit、合計:281,624 hit

日常、蜘蛛と私涙目。ページ32

く、くくく蜘蛛が、蜘蛛が蜘蛛が

切「…A先輩の周りなんか、カタカタカタカタって効果音が聞こえる気がするんすけど」
幸「うん。俺の手も振動がすごいよ」

あ、はいしがみついてます精市の左腕だって蜘蛛怖いもん。

財「普通の女子やったらこの水の音の方に怯えるもんとちゃうんですかね……」
越「だってA先輩だし」
財「ああ、せやな」

何故そこで納得する。
と、言い返したいが、

貴「ぎゃあいやああああっ！！」

蜘蛛が多すぎて無理。しかもやたら大きい。全てはこの機械音のせいだ恨む！

真「顔色が真っ青だが…」
貴「大丈夫じゃないもの」
真「う、うむ…」

言葉をなくした真田副部長が黙り込む。だって大丈夫じゃないもん。

不「あ、そろそろ機械の音のとこに来るけど……Aちゃん…」
貴「だ、大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫……」
切「ドア、開けるっすよ？」

がたがたっと音が、して、さらに一際機械の音が大きく、大きく響いて…！

貴「いやぁああああああっ！！！」

その中を確認する前に、私は盛大に悲鳴を放った。何故かって？

丸「ここは蜘蛛の巣窟かよぃ…」
貴「わざわざ言わんでいいわぁあああああ……あ？」

蜘蛛の巣塗れのその部屋の奥。そのさらに奥。

貴「機械…と、水の音？」

の元凶と思しき。

柳生「…おや、あれは、何かのぜんまいでしょうか？」
仁「雨垂れにあたって巻いては動いてを繰り返してたようじゃのう」

歯車、油。機械から漏れ出した油で滑りやすくなったぜんまいを雨垂れが回して、結果ずっとずーっと回ってたのね。
ある意味奇跡じゃない？ピンポイントで雨漏りがぜんまいに落ちるなんて。まあ実際はあれはぜんまいじゃなくて、欠けた歯車なんだろうけど。

越「歯車って、一つ回ると全部回るからね…」
貴「動き続ける機械と、この病院の噂、二つが混ざって心霊スポットになったんだろうねここ」

人の噂って、尾ひれどころか背びれも胸びれもつくもんだからね。

桑「…なんか、呆気ないな」
貴「なにが？」
丸「心霊スポットの真相、だろい？」

こんなグダグダ推測がかい？まあ、大体そんなもんだろ。見えないものって、見えないからこそ怖いけど、大抵無害だし。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、ってね。

幸「とか言いつつ俺の腕握ってる手はしっかり震えてるけど？」
貴「蜘蛛は無理…なんだってぇええ！！」

なんてタイミング、頭上から蜘蛛落ちてきたぁああ！！

不「落ち着いてってば」
貴「無理ぃいいいい！！」