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空気を読めるようになりたい ページ38

「で、アンタら何でこんなとこにいるんだ。俺は部屋にいろと言った気がするんだが」

じとりと俺…じゃないな、鶴丸さんを睨む。

「待て待て待て、今回は俺じゃない!何方かと言えば俺は被害者だ!」

「大将が手ぇ出すってか」

「何もそこまで言ってない!俺を引っ張って部屋を飛び出したのは主だ、俺はちゃんと止めたぞ」

「止めるもなにも飛び出すまでの経緯が知りたいもんだがね。アンタが何か言わなきゃそうはならなかったんじゃねぇか」

「うぐっ」

わかりやすく顔を引き攣らせる鶴丸さんに、薬研くんがははーんと言いたげな笑みを浮かべる。

「口滑らせたな」

「い、いや…滑らせたわけじゃ…。ただ怪我の具合を聞かれてだな…」

ぽこぽこと繋がる会話。
なんだか刑事ドラマ見てる気分になる。

けど、今回やらかしましたのは俺です。
鶴丸さんにも大変失礼なことをし、薬研くんの言い付けを知らなかったとはいえ破りました。

はぁっと誰にも気づかれないように息を深く吐く。

刑事ドラマ的展開の合間に水を差すようで申し訳ないけれど、鶴丸さんに濡れ衣を着せる理由にも行かないため意を決して口を開く。

『ごめん、薬研くん。鶴丸さん引っ張り出したの俺なんだ。部屋にいろって話になってたの知らなくて…。いや、別に言い訳しようってことじゃないんだけどな!そのー…』

なんと言葉を繋げればいいかわからずもごもごと口の中に声を溜める。
そんな俺をみてポカンとしていた薬研くんがクスリと笑った。

「すまねぇ大将。ちっと悪巫山戯が過ぎたな」

「相変わらず真面目だなぁ君は」

なるほどお戯れでしたかそうですか。

空気読めねぇとか思われてんのかな。
マジレスとか引くわーなんて思われたら死ねる。
一分前に戻って俺の口を縫いつけたい。

とかなんとかチベットスナギツネ見たいな顔で遠く思いを馳せ、どうか空気を読めるようになりますように、なんて心の中で誰にする訳でも無いお願いを唱える。

誰が叶えてくれんだろうな…無理か。

「大将?…取り敢えず部屋に戻ろうぜ。ここは落ち着かねぇ」

『あ、おお、そうだな…。五虎退』

「は、はい!」

薬研くんの後ろで黙ったまま俯く五虎退に声をかける。
びくりと肩を揺らして、弾かれたように顔を上げた。

その場で膝を付いて、手招きしてみせる。

『おいで』

一瞬固まるも、パタパタと駆ける。
腕の中に飛び込んでくる軽い衝撃を、せめて傷が痛まないようにと優しく抱き抱えた。

「っ!…あ…主様ぁ」

おかえり→←半分冗談



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彩香(プロフ) - ゆきむらさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいですありがとうございます!!お応えできるよう、頑張ります! (2019年5月31日 22時) (レス) id: ac0ca94cff (このIDを非表示/違反報告)
ゆきむら - 初めまして。作者様の小説、最初から一気読みさせて頂きました。とても面白かったです!これからも自分のペースで更新なさって下さいね!応援しています! (2019年5月30日 3時) (レス) id: 98604c15ab (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - …さん» 返信遅くなりすみません、コメントありがとうございます。中々更新できていませんが、お応えできるよう頑張ります。ありがとうございます!! (2019年5月28日 12時) (レス) id: c14942e9c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 此処まで一気に読みました、更新応援しています。 (2019年5月25日 14時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - ねむるさん» 返信遅くなりすみません!応援していただける分、出来る限り更新できるよう努力します!ありがとうございます! (2018年5月27日 22時) (レス) id: c14942e9c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩香 x他1人 | 作成日時:2017年7月16日 11時

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