友達ってなんですか？教えて貰っていいですか？ 【刀剣乱舞・男主】

洋服和服 ページ18

そんな思い出に浸りつつ着ていた服を備え付けのカゴの中へ放り投げる。
俺は基本家の中だと、上はTシャツ1枚かそれになにか羽織る程度だから着るのも脱ぐのも楽。
それに引き換え見てみろよ。
鶴丸さんなんて色々大変そうだ。
今は内番服(？)だからまだいいけれど、戦闘服となると脱ぎづらそうだし着るのも一苦労だ。

昔の衣装は大変そうだな…。
洋服に慣れてるからこそそう思うのかもしれないけれど。

「あ、主。そんなに見られると脱ぎづらいんだが…」

『え、あ、ごめん。毎度の事ながら大変そうだなぁと思って』

「鶴丸さんのは和装ですもんね」

腰にタオルを巻きながら五虎退が苦笑する。

『五虎退は洋服だよな。薬研くんも。これって何か違いがあったりすんのかね』

「さてなぁ、考えたこともなかった。俺は平安生まれだから、というのも理由にはならないからな」

洋装もいるし、と言う鶴丸さん。

『鶴丸さんは平安生まれなんだ…すげぇ、1000年くらい生きてるんだ…神様っぽい』

長生きしてれば神様っぽいのかと言われそうだ。
そういうつもりは無いけれど、なんかそんな感じしない？

1000年とか凄くない？21、2年しか生きてない俺はほんとの赤ん坊にしか見えないんだろうな。

「…ちゃんとした神様なら君を傷つけないだろう」

一転、気まずそうな表情で顔を逸らした。
なんのことか、なんてとぼけるつもりは無い。

『は？…あー、はぁ、まだ気にしてんの？』

背中の傷のことなんだろう。
異常なほどの回復力によってひと月もしない位で完全に傷は塞がった。
今ではもう痛くも痒くもない。
ただ、アニメや漫画に描かれるような傷痕がくっきりと残っている。

治りかけで一度開いたこともあったけど、それでもすぐに塞がったんだ。
ここに来る前では考えられないほどの速度で治る傷に多少なりともビビってる。
でもそれがあってこそ今を生きていられるわけですから？感謝はしているんですよ。何に対してかは知らないけど。

でも、治してくれるなら完全に治して欲しいよね。
鶴丸さんがこうして引き摺っちゃうから。

自分が気にしてないのに相手がずっと気にしてるのって嫌なんだよね。
もう何度も謝ってもらってるし、五虎退にも謝ったみたいだからもう充分なんだけど…。

どうしたら諦めてくれるか、どうしたら立ち直ってくれるか、もんもんとした難題は頭の中をずっと巡る。

人間の心ってのは本当に難しい。

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