お昼寝 ページ48
真っ暗で少しふわふわとした感覚。
ここ最近でも珍しいくらい心地良い眠り。
だがそれも、遠くから聞こえるやや騒がしい声に遮られ、不本意ながらも意識は浮上していった。
「ん…」
くっついた瞼を無理矢理こじ開けると、少し靄がかかったように辺りがゆらゆらと見える。
何度か瞬きを繰り返すとそれも消え、景色が鮮明に見えてくる。
先に目に付いたのは、まだ気持ちよさそうに眠る大将の顔。
寝ぼけ眼でぼーっとそれを眺めて、ふと我に返る。
息がかかりそうなほどの距離に、声にならない悲鳴をあげ跳ね起きた。
その勢いで肩から薄手の毛布がずり落ちる。
俺が動いたためか、眉間にシワを寄せ居心地が悪そうにもぞもぞと動いた。
だが、美しい碧の瞳は俺を写すことなく、またすやすやとした眠りに落ち着く。
内心ほっとしながら、ずれた毛布を肩までかけ直す。
声のするほうへ足を向けた。
そこは、いつも大将が立つ簡易的な厨だった。
この本丸にもちゃんとした厨は存在する。
ただ、ここからは遠いし流石に狼の群れの中で料理するほど阿保でもないのだろう。
まあそれはいい。
こっそり覗いてみると、いつも見る大将の背ではなく、内番服に身を包んだ鶴丸の旦那と五虎退の後ろ姿だった。
少しばかり見ていたが、わーぎゃーと叫ぶ彼ら。
見るに耐えない二人の背に呆れながら声をかけた。
「…何してんだ？アンタら」
「うぉっ！！？…な、なんだ薬研か…」
「っび、びっくりしました…」
大袈裟に肩をびくつかせてこちらを振り向いた二人。
こちらもつられて少しばかり肩が飛び跳ねた。
「驚かせるつもりはなかったんだが…。何をそんなに騒いでんだ？」
「あ、うるさかった…ですか？」
「まあ、そこそこな」
「あぁ、そりゃすま……ん？！あ、主は？！」
バッ！っと効果音のつきそうなほどに身を乗り出し、部屋を分ける引き戸から向こうの部屋を見る。
そんな焦った彼を見つつ、呆れた声が出た。
「まだ寝てるぜ。相当疲れてるみたいだからな、あんまり騒がねぇでくれや」
「ぅ…すまん…」
向こうの部屋で寝ている大将にホッとしてか声を沈めて謝った。
軽く項垂れている彼は、大将のこととなると必死になるなぁと他人事のように考える。
「それはそうと、兄さんがお昼寝なんて珍しいですね」
ピシッと凍りついたように固まる俺。
悪気のない弟の一言は、白い彼のイタズラ心に火をつけてしまう。
すまん五虎退言わせてくれ。
余計なことをっ…!!
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます！ (2017年7月21日 13時) (
レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名＝まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません！コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください！ (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです！透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩香 x他1人 | 作成日時：2017年2月15日 21時
