添い寝 ページ44
「おっと…起こしちまったか?寝るなら部屋にしたらどうだ?ここじゃ逆に疲れちまうぜ」
『んん…?薬研…くん?あれー?俺いつの間に寝てた…?』
目を擦る彼の手を、傷がつくからと半ば無理矢理止める。
「さあな、俺が来た時にはぐっすりだったぜ。やっぱ疲れてんじゃねぇか、ほらほら、部屋に行くぞ」
『掃除…やんなきゃだし…昼飯も…お前らほっとくと食わねぇから…調べ物もしたいし…畑も…』
意識半分夢の中でもしっかりしているようだ。
やることはきちんと頭に入っている。
「掃除は終わった。昼飯は…まあいい。起きてからでも遅くないだろ。畑も俺達がやるし、調べ物は後日に回しちゃダメなのか?とにかく、今は体の事考えてくれや。その体調でウロウロされても心配で適わねぇ」
『ん〜〜…』
寝ぼけた彼の腕を引っ張って部屋へと連れ込んだ。
流石に畳にそのまま寝せるわけにもいかないので、布団を敷こうとした時。
ぐんっと腕を引かれ、畳に倒れ込んだ。
そこまで痛くないのは、大将の腕があったからだろう。
抱きとめられる形で寝転がる。
「ちょ、大将!危ないだろ!」
『…薬研くんも寝よ…。抱き枕に丁度いいサイズ…』
「人を抱き枕にするのか…。大将、それはともかく布団くらい敷いてくれ。体痛めるぞ…」
そう言っても、彼はもう夢に呑まれつつあるようで、会話はほぼ成立せず。
ただ、腰に回された腕がより強く抱き締めてくる。
『子供体温…あったか…ぃ…』
それを最後に、彼は再び眠りに落ちた。
「おっ…おいおい…。たーいしょー、離してくれや。俺っち動けないんだが…」
すっかり眠ってしまった彼の胸をぽすぽすと叩く。
もちろん、彼が起きることは無い。
どうしようかと、部屋の掛け時計に目をやる。
午前11:26
もう半刻もすれば昼時になる。
出来ることならば昼飯でもつくってみようと思っていたんだが…。
生憎そういったものに手をつけたことはないが、この部屋の本棚には丁度よく料理の本が多々ある。
見様見真似でやれば出来なくはないだろう。
大将に頼りきりってのも申し訳ないからな。
…と、思っていたわけだがどうしたものか。
大将の腕の中で、静かにため息をついた。
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます! (2017年7月21日 13時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名=まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません!コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください! (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります! (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩香 x他1人 | 作成日時:2017年2月15日 21時