脅迫?いいえ、警告です ページ38
ほっとしたのもつかの間、五虎退が追い打ちをかけるかのごとく、恐怖を煽ることを平然とした面持ちで口にだす。
「ただ、二度と元の地には帰れなくなります…。もし神域を抜け出すことが出来たとしても、異空間で人間の身はもちません。運がよく出られたとしても、生きたまま…なんて無いに等しいです…。有り得ない、と断言してもいいです」
『そ…そんなに?』
「そんなに、です。出る出れないの問題の前に逃げるなんて出来ないかもしれない。殺されるなんて生温いかも知れません。神は神域であればなんでもできると言っても過言ではありませんから」
一呼吸おいて、言葉を続けた。
誰も口を挟もうとはせず、静かに彼の声に耳を傾ける。
「例えるなら、拷問にかけられ死にかける度に身体を修復される。あるいは、身体の自由を奪われ、動かぬ人形となり永遠を神と共に…なんてこともあるかもしれません。死にたいと願っても決して死を迎えることなどありません。他にも多くの地獄を見ることもあるでしょう。全てが神の自由なのですよ…。名を縛るとは、あなたの死を意味することだと肝に銘じてください…二度としないでください」
これは、彼を思ってのことなのか…いやきっとそうなんだろうが、現状ではただ脅しているようにしか聞こえない。
否、脅しているんだ。
名を教えるという行為がどれほど危険な事かと、死の宣告をしてまで教えている。
大袈裟に聞こえるが大事なことだ。
一歩間違えれば命を握られるんだと、脅しをかけてまで危機にさらされぬように注意を促す。
「いいですか、決して容易に名を口にしてはなりません。これは絶対ですよ」
『わ、わかった…気をつける。流石に名前言っただけで死にたくはないからな…』
見るからに冷や汗が止まらない主殿。
よく見れば目にも薄く涙の膜ができている。
傍から見ると子供に脅迫されて泣きかけてる不良の図だ。
滑稽だな。
「五虎退そろそろやめてやれ。大将もいい加減わかっただろうし、そのへんにしてやれ」
「…わかりました。主様すみません、脅すような真似を…そんなつもりはなかったんですけど…」
『ぃ…いや、大丈夫…だ。ちょっと、怖かったけど、大丈夫。十分わかったし…軽率な真似をした…悪い…』
五虎退は悲しげな顔をやめ、天使のような笑みでわかってくれて何よりです…と言った。
おい、いつから君は乱のようになったんだ。
なんだか見ないうちに逞しくなったな…。
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます! (2017年7月21日 13時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名=まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません!コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください! (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります! (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩香 x他1人 | 作成日時:2017年2月15日 21時