あの時 ページ32
鶴丸国永視点
「「「『ごちそうさまでした』」」」
四人それぞれが両手を合わせ、綺麗に空になった器へ挨拶をした。
『手抜きで悪いな…時間なくて』
全員分の食器を集めながらそう言う主殿。
手抜きとは言いながらも、この短時間で十分なほどを作り終えている彼はやはり凄いと思う。
「僕は好きですよ！主様の炒飯！」
片付けの手伝いを…と言うよりも、彼の仕事を奪い取る五虎退。
少し言い方が悪いだろうか。だが事実だ。
俺もぼーっとしていると全て彼らがやってしまうからな、急いで立ち上がり厨の方へと食器を運んだ。
ぱたぱたと楽しげな足音が響く。
〇●〇
片付けも終え、食後の一服として座敷で茶を啜っていた。
薬研と五虎退は、主殿が持ってきた“おせろ”なる遊びに浸っている。
パチパチと白黒の石を裏返していくげぇむらしい。
単純ではあるがなかなかに難しそうだ。
こんな和やかな雰囲気の中、俺はずっと気になっていたことを意を決して口にしてみた。
「…そう言えば…なぜ俺が変わりたいと言ったのを君が知っているんだ…？」
一瞬、何のことだ？と首をかしげた彼らだが、あの時の…と説明も付け加えるとバツが悪そうに頬をかいた。
『ぅっ…いやぁ、聞くつもりはなかったんだ…。たまたま聞こえてしまったというか…なんというか…な？』
「えへへ…すみません」
この様子では五虎退も知っていたわけか…。
「ぜーんぶ筒抜けだった訳だな」
机に肘をつきにやにやと笑う薬研。
「穴があったら埋まりたい…」
顔から火が出るかと思うほど恥ずかしかった。
まさか聞かれているとは思わなんだ…。
しかし、思いを伝えるいい機会だとその場で言葉に示した。
彼の横へより膝をついて、頭を下げた。
「先日の無礼、並びに先程の愚行を今一度謝罪させていただきたい。本当にすまなかった。赦されないことをしたと思っている。出来ることならば何でもしよう、君が望むならばこの命、喜んで差し出そう。けれど、万が一…億が一にも、償う機会を与えてくれるのならば…俺を君の元へ置いてはくれまいか。君を主と呼ぶことを、許しては…くれないだろうか…」
顔を青くして慌てふためいていた主殿も、俺の本気を感じ取ってか真面目に受け取ってくれた。
けれど、彼は悲しそうな顔で
『…うん、鶴丸さんの言いたいことは分かった』
けど…と続ける。
『そういうのはいらないな…』
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます！ (2017年7月21日 13時) (
レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名＝まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません！コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください！ (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです！透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩香 x他1人 | 作成日時：2017年2月15日 21時
