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はじめての手伝い ページ4

「おはよう…ございます…」

少し経った頃、眠たそうに目を擦りながら起きてきた五虎退。

その足元には五匹の虎。

『おう、おはよう。顔洗っておいで、それからご飯にしよう』

「はい…。あ、肉じゃがですか?」

『あぁ、昨日言ってたからな。』

俺と同じく、箸で欠片をつかんで口元に寄せれば慣れた動作で口を開いた。

『そうだ、出来ればでいいんだが薬研くんを呼んできてくれないか?昨日声はかけておいたんだが…念のために』

「わかりました!」

一通り済むと、行ってこいと、軽く背を押す。

お前らは先にご飯な、と、虎たちのぶんの飯を皿に乗せ、床に置いた。

五虎退も五虎退で、速やかに部屋を出ていった。

『さて、五虎退も起きたし、朝飯にしようぜ。悪いんだけど鶴丸さん、手伝ってくんね?』

「はっ…?ぁ…あぁ、構わんが…」

てっきり出ていけと言われるものかと…。
いや、彼はそんなことは言わないのだろうな。

彼が用意した茶碗は四つ。

その用意されたものを見て、やっぱりと思った。
俺や薬研の分も作ってくれたようだ。

どこまでも他人に優しくてお節介な人間だな。
面倒見が良すぎるのも難儀なものだと思うがな。

そうこうしている内に、茶碗によそられたほかほかの白飯、別の椀に軽く湯気だった先ほどの肉じゃが(?)。黒いお椀には味噌汁が注がれた。そして、皿には先程までは姿が見えなかった焼き魚。小さな小鉢には青物が添えられる。

随分と豪勢な朝餉になるな…。なんて他人事のように思っていたが、俺のために作られたものでもあるんだと知ると胸のあたりがじんわりと暖かくなった。

幸せそうな光景→←後ろめたい思いと彼の気遣い



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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます! (2017年7月21日 13時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名=まな  だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません!コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください! (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります! (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩香 x他1人 | 作成日時:2017年2月15日 21時

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