爆発 ページ22
『…でも、俺も前の人達と同じ人間だ』
どこか諦めきった彼の声を、無性にもどかしく思った。
「違うっ!君はあんな奴らとは違う!」
『違わない。俺だって人間で、酷いことだってそれなりにしてきた。その話に聞く前の人達と何ら変わんねぇよ。似たところがあるからダブって見てるんだ』
いくら否定しても、彼は聞く耳持たない。
だんだんと募ったもどかしさは、徐々に苛立ちに変わり、ついには俺の中で何かが弾けた。
「っ�・〜!!このわからずやぁ!!」
『は?!』
勢い良く立ち上がると、ずっと立っていた彼と目線がやや合うようになった。
大きく見開いた彼の目にようやく俺の姿が写った。
顔を真っ赤にした俺の姿だ。
その嬉しさをも一瞬で、溢れ出した苛立ちに掻き消された。
「馬鹿か?!阿呆か!?人の話をしっかり聞け!!俺は違うと言ってるんだ!体験してきた俺が言ってるんだ!君に何がわかるというんだ!勝手に決めるな!君をどう見るかは俺が決めることだ!君が勝手に決めつけるな!!」
『…鶴丸さっ…』
口が悪いのは百も承知。
それでも零れでる言葉の波は止まらない。
彼が口を挟んでこようとも、俺は俺の話を続けた。
君が話を聞かないからこうなるんだ。
そっちがその気なら俺だって聞かない、聞いてやらない。
「だいたい、君は抱えすぎなんだ!家事でも仕事でもそうだ、何故人に頼らない。手伝ってくれと一言言ってくれれば喜んで手を貸そう!そうでなくともやると言っているのに何故やらせてくれない?!毎日毎日一人で朝から晩まで忙しなく働いて…体でも崩したらどうするんだ!君一人の体じゃないんだ!もっと考えろ!」
言いたい事なんてありすぎる。
今に関係ない?知った事か。
嫌なら嫌と言えと言ったのは彼の方だ。
言いたい放題言ってくれたからには俺だって言ってやる。
もう知らん。
『ちょ…それはちょっと語弊があるんだけど?!』
「うるさい!君ひとりの我慢がどれだけ人の迷惑と心配になるか考えたことあるのか?!今はまだ倒れたことは無いが、いつかあるかもしれない、明日かもしれない!その時…俺達はどうすればいい…。君が倒れたのは自分達のせいだと己を憎めばいいのか?」
それを、君は望んでいるというのか?
後になるに連れ、静かになっていく声。
答えなんてわかってた。
彼のことなんてわかってた。
わかりやすい奴だから、彼は決まってこう言うんだ。
(そんな事あるわけない)
『そんな事あるわけないっ!』
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます! (2017年7月21日 13時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名=まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません!コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください! (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります! (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩香 x他1人 | 作成日時:2017年2月15日 21時