内なる怒り ページ17
薬研藤四郎視点
さっきから鶴丸の旦那の様子がおかしかった。
顔を青ざめ、何かに怯えているようだった。
審神者の旦那が来て、それも和らいだようにも見えたが突然また怯えだした。
俺達が声をかけても反応すら見せず、ただ一点を見つめ続けている。
心配した審神者の旦那は肩へ手を置こうとした。
だが、驚くことに鶴丸の旦那が彼の伸ばした手を払ったんだ。
恥ずかしがることはあれど、拒否したことなどなかったのに。
流石の俺も、審神者の旦那も目を丸くして鶴丸の旦那を見た。
その行動は無意識だったらしく、一番驚いていたのは鶴丸の旦那のようだ。
顔を更に青くさせ、悲しそうに眉をひそめている。
それでも、状況を全く理解出来ずに傷ついていたのは審神者の旦那の方なのだろう。
ほんの些細なことで傷つくほど弱い人だと知っている。
あんなに仲が良さそうだった彼らだ。
ふざけ半分でならまだしも、本気で拒否されたなら相当な衝撃を受けたことだろう。
それを知ってなおやった。
無意識にしろなんにしろ事実は事実。
それが腹立たしくて堪らなかった。
アンタが傷つけてどうする。
知っていたんだろう、傷つきやすい御人だと。
守りたいと、次こそはと言ってただろ。
右手に、愛刀になるんだと言ったじゃないか。
自分から離れてどうするんだ。
…結局変われてなどいないじゃないか。
「鶴丸！！」
憎かった、悔しかった、切なかった。
きっと彼は前任の影に怯えている。
貴重な刀は重宝されてきた。
何度も折れて代わった俺達とは違う。
想像もつかない程の地獄を見たことだろう。
それは簡単に消えるようなものじゃない。
わかっている。わかっているんだ。
だけどっ…。
下唇を噛み、白い背中が消えていった方へと駆けた。
角を曲がった時には既に彼はいなく、しんと静まり返った廊下が続いている。
物音はしない。
もう近くにはいないようだ。
小さく舌打ちをし、手当り次第に探し始めた。
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彩香(プロフ) - こすさん» お恥ずかしいですすみません。すぐに修正させていただきます！ (2017年7月21日 13時) (
レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
こす - 真名＝まな だと思う (2017年7月18日 20時) (レス) id: 504739afed (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 晋陽さん» 返信、大変遅くなり申し訳ございません！コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月2日 12時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きがとっても気になります!がんばってください！ (2017年4月30日 17時) (レス) id: 698e01f38a (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - まーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しい限りです！透明ララバイの方は更新が途切れてすみません。少しずつではありますが更新していきます。ありがとうございます頑張ります！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: 5d501a6648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩香 x他1人 | 作成日時：2017年2月15日 21時
