同棲/赤/PMS ページ7
予定通りにこないの何で？
なのにお腹は痛くなるの何でなの。
「うー…」
『どーした』
「…お腹痛い…」
『生理？』
「……じゃないのに痛い…」
『じゃないのに痛い？なんで』
女の身体は複雑なの。
わかってたらこんなに辛くないよ、
とソファーに座っている彼に
ぐたぁと倒れ込むと頭を撫でてくれる。
『大丈夫ですか』
「大丈夫じゃない…」
『どういう痛さ？』
「きゅーってする痛さ」
『…でもそろそろじゃね？』
カレンダーを見て
日付けを確認した彼は察したようで。
あぁもう、女の子辞めたい。
辛い。
しんどい。
無理。
「でもまだなってないの」
『なってないけどお腹は痛いんだ』
「そー…」
『大変だな』
労るように背中をさすってくれる。
このくるかこないかはっきりしない時が1番嫌だ。
きたらきたで生理痛に悩まされるのも嫌だけど。
「……っ」
『大丈夫だから…泣かない泣かない。ほんと着替えて、横になった方がいいよ顔色悪い』
ふらふらしたまま着替えると
彼はそっと脱いだ服を洗濯機に持っていった。
ベッドに横になっていると寝室のドアが開く。
『お腹空いてるならなんか作るけど…今は食えないか』
「…ん…」
『ちょっと寝な？』
「……りょーすけ…ごめんね…いつも、」
『何言ってんの。謝ってほしいだなんて思ったこと一度もないよ』
「………」
『放っておきたくないの。俺が』
「………」
『体調崩しやすいAも、なんでも我慢して頑張っちゃうAも、すぐ情緒不安定になっちゃうAも』
頬を伝って枕に流れ落ちる涙をそっと拭ってくれる。
『俺が支えないで誰が支えんの』
〆
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作者名：ヒロイン症候群 | 作成日時：2021年5月12日 15時
