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内容は、正直LINEでよくない？って話だった。
知念ちゃんと薮くんの舞台が中止になったとか、
わたしの雑誌の撮影が延期になったとか、
明日はオフだとか。
いや、最後のは重要だったかも。
「明日、いや明後日にすっか、また掛けるわ」
『げ』
「LINEでいいのに」
「お前ら返信しねえしブログ更新しねえし」
上からの指示なの、
ちゃんとメンバーを管理するのが俺の仕事。
って加藤さんが言ったら、
あからさまに嫌そうな顔をした大貴。
ゲームの邪魔される、
くらいにしか思ってないくせに。
ま、お前ら二人
いっぺんに確認できんのは楽でいいけどな。
山田とか電話も出ねえしさぁ、いの、
『はいはいじゃーね加藤さん』
愚痴を言い始めた加藤さんに
被せるように言って通話を強制終了させた。
そんなにゲームがしたいのか。
メンバーに愚痴を言うMGもどうかと思うが。
とはいえすることもないんだよなぁ、
倦怠期とかマンネリなわけじゃない。はず、
確か生クリーム合ったような、
ケーキでも作ろうかな。
立ち上がった途端、世界が反転した。
や、半転くらいか。
「うえっ」
我ながら可愛くない声が出た。
キャピキャピしたキャラクターでないとは言え、
アイドルらしからぬ、まぁもうそこそこ年だけど。
『ふはっ、かわいくねぇ』
いや自分でも思ったけどそれ言う？
なかなかひどい彼氏だ。
まぁ口が悪いとこも全部ひっくるめて好きなんだけど。
それはないわ、有岡、ないわ。
『ん、ほら』
オフモードの大貴が手を広げて、なんて珍しい。
というか寝起きかそういうときくらい。
え、と漏れた声を聞いて言う。
『いや昼間っから取ってくったりしねえわ』
『それともなに、？したかった？』
Aが寂しそうな顔してっから、
ニヤニヤしながらそう言う彼はオフなのかオンなのか、
それとも、オスなのか。
近すぎてわからないけれど。
昼寝だ昼寝、
夜ご飯は誕生日くらい出前でも良いよね。
と潜り込んだ布団が無いことに気がついて
目が覚めた。
窓の外はもうだいぶ暗い。
『ん…A？』
寝ぼけてる大貴を起こしてみる。
「大貴、たんじょうび、おめでと」
『いまさら？』
「言い忘れてたなって」
A27歳、大貴29歳、些細なことでも喧嘩するし、いちメンバーとしても意見が合わないこともある。それでもこうしていられるのはとなりにいるのが、大貴だからなのかなって。
『ん、ありがと』
〆
紅一点/165cm/MC/ネタ→←紅一点/橙/2020/誕生日
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作者名：ヒロイン症候群 | 作成日時：2021年5月12日 15時
