もしも君のための世界なら (ページ19)

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獣パロ/黄/猫ページ19

嫌いなものは猫。
八乙女光、31歳、アイドル。

毎週やっているラジオ番組を終えて、
マネージャーの車に乗り込み家路についた。

「お疲れさまでした」
『はーい、お疲れさまでーす』

『は？』

まさかの事態発生。
マネージャーを呼び戻すにも遅すぎる。
今は彼女は残念ながらいない。
近所に知り合いは、

『Aちゃん！！！助けて！！』

「……え、光くんどうしたの、え何怖いです顔」

「ん？何、猫ちゃん？」

あ～～！そういえば光くん猫ダメでしたね。にしても何でマンションに猫なんて……と真面目な顔をして分析を始めた、上のフロアに住む高校の同級生で、今ではテレビスタッフとしてたまに仕事を共にするAちゃんにいいから早く！と

『うちの前の猫どかして！入れないの！』

「今からいくのでちょっと待っててもらえます？」

お風呂出たてでもう一枚着ないと流石に寒いので。というAちゃんにはもうしわけないと思いつつ、部屋の前で待たせてもらう。ひぇ～～うちの前に居座られたら困っちゃうどうしよう。

「光くん、ほらいくよ」

『うんごめん、前歩いてもらえる？怖い』

あれこれ格闘した挙げ句、
Aちゃんはあたかも普通だというようにその猫を抱えて階段に離した。さらさらさら～～と降りていく猫に悪寒がする。

『助けてもらったからお茶でもどう？』

「えっ、いいの？ありがとう」

お邪魔します、と入ってきたAちゃんは何故かお風呂上がりで髪の毛が濡れていると言うのにニット帽を被っていた。

『髪の毛荒れちゃうから外した方がいいよ』

俺と違って痛め付けてないせっかく綺麗な髪なんだからうちで乾かしたら？と、髪に触れたらぼんっ！と現れた。頭と、体の後ろに、もふもふとした形。

『ギャーーーーーーッ！！！』

「ごめんね言ってなかったんだけど」

猫眼人(キャットアイ)なんだと笑う彼女に言ってやった

『だから猫は嫌なんだって！』

〆