もしも君のための世界なら (ページ15)

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シンパパ/黄/デートページ15

保育園がお休みの日の朝、ゆれる視界。
先週からAはパパとデートするの！
と珍しくなぜか怒っていた。

「ぱーぱーおーきーてー」
『あれ、Aちゃんどうしたよ』
「でーとのひ！」

そうだった。
公園でお弁当を食べようねって約束をした

『大ちゃんと○○くんも呼ぶ？』
「んーん、よばないの。ぱぱとでーとなの。」
『そっかあ、じゃあお着替え出来る？』

Aちゃんは女の子だから
ちゃんとお洋服にも気を使ってあげなきゃ駄目だよ
と山田に怒られたのを思い出して
ついこの間、たくさん可愛い服を買った。

「ねぇぱぱ、これ、きたないなる？」

可愛い真っ白のワンピースを片手に、
汚れちゃうかな？と聞いてきたA。
でもそれ引きずってるし、
まだ大きいから着れないよとは言わないでおく

『パパとお揃いのズボンにする？』
「う～ん、おそろいする」

渋々というAの表情は俺そっくりだったし

「ぱぱぼたんして～できない」
『髪の毛する人～』
「は～いAちゃんする～」

前髪がボサボサになると悲しい顔をするけど
編み込みにポンパでお揃いにすると機嫌も取れた様子

イチゴの匂いのリップを付けてあげて、
るんるんの彼女が背負うリュックには
ウェットティッシュとタオルとお菓子を詰めた

『では準備は良いですか？』
「じゅんびばんばんです！」
『ばんたん、ね』
「です！」
『はーいAちゃん、車に乗ってください』
「できた！とめれた！」
『いいですか？出発』
「しんこーーーー！！」

〆