大学生/水/真面目/墜落 ページ2
ごめん5分くらい遅刻しそう出席だけ頼みます！
まだ2コマ目だというのに友人から届いたLINEを片手に
講義室の入り口に近い席を一人で占領した。
廊下を通る人、
ギリギリセーフと滑り込んでくる人と目が合う。
あ〜そんな顔しないでください
私は悪くないんです本当にすみません。
とは言え３年ともなれば
私と一緒にいる人くらい覚えられるものか。
あら親友ちゃん遅刻かな可哀想に、
という表情視線すら感じる。
どうにもいたたまれなくなって
思わずつっぷしかけたとき、
『ねぇ、奥、空いてる？』
いつもよりすごい遠くから聞こえた声に
幻、聴、かなにかかと思ったけど
友人の席なのですみません、と断ろうとした
『あ、ごめんここ』
キョロキョロ見回しているのを見られた
ずいぶん身長の高い人が上から話しかけていた。
「……ぁ、友達が、これから来るので、」
『そうなの？ごめんね』
他当たります〜と爽やかに笑った彼は
翌日も翌週も話しかけてきた。
『おはようAちゃん』
「中島くん、朝早い講義多いね」
名前は中島裕翔くん、身長超高いけど同級生。
いつもは山田くんって言うちっちゃい子と
よく一緒にいるらしい。
朝イチの講義は一人なんだよね〜と言っていた
『それはAちゃんもでしょ』
「早起き得意だから良いかなって」
『お友達はダウンしたみたいだけど？』
「元から半分くらいしか被ってないよ」
わたしもそうだったから、仲良くなるのは早かった。
このときばかりは友達が寝坊助で助かった。
『ね、今日バイトある？』
「……今日は、バイトないけど」
『飲みいかない？美味しいお店知ってるからさ』
『Aちゃん結構飲むね』
「う〜ん、すっごく弱くはないかも」
『じゃあ潰しちゃおっと』
「がんばりま〜す」
その時点でどうなることかくらいわかっていた
経験がないわけじゃないし良いんだけど。
『おはよう、Aちゃん』
「……あれ、中島くん、？」
『昨日は裕翔くんって言ってくれたのにな〜』
「ごめ、記憶が……」
寒いなと思って目が覚めたら
やっぱり、生まれたての姿で眠っていた
『早起き、得意なんじゃなかったっけ』
中島くんの部屋を見回して見つけた時計。
『もう、３限すら間に合わないね？』
「……うそっ？！」
『たまにはお休みしよっか二人でさ』
全部とってたのになあ、
〆
社会人/桃/飲み会/愉快な仲間たち→←呼ばれず飛び出せジャジャジャジャーン
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作者名：ヒロイン症候群 | 作成日時：2021年5月12日 15時
