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「一回帰んだろ？とりあえず食ってけよ」
「朝ご飯、いつもこんな感じなの？」
「俺の自炊はこれが限界なの。
文句言うなよ？チーズも乗せたし」
「作ってくれたのに文句なんて言わないよ。
いただきます」
「はい、どーぞ」
チーズのいい香りがするトーストにかぶりつく。
「ん、おいしい」
「当たり前だろ、誰が作ったと思ってんの？」
「作ったって言えるか分かんないけどね。
でもほんとおいしい。
ただのチーズトーストだけど」
「ふはっ、なんだよそれ。
褒めてんの？貶してんの？」
減らず口を交えながら美味しいって言う私に
洋平は半分笑いながらそんなことを言って。
でもね、ほんとに美味しいよ。
確かにチーズを乗せただけのトーストだけど、
私の為に作ってくれたトーストは
本当に美味しいと思えて。
誰かと一緒に食べるトーストの
パンとチーズの味が体中に染み渡って
一緒にご飯を食べれる人がいることって
幸せなんだな、
大事なんだなって思えて。
ただそのことが
今の私には痛いくらいに刺さり過ぎて
「ねえ、昨日のおつまみに作ったカニアスパラ、
あれ乗せても美味しそうじゃない？」
「そう？カニとパンてどうかな」
「えー、絶対合うよ。乗せてみよ」
泣き出しそうになるのを見られたくなくて
キッチンへ立とうとしたら
「もうないよ」
「え、？」
「トースト焼いてる間に腹減ってつまんでたら
全部食っちゃった！」
「ふはっ、嘘でしょ洋平。
なんで全部食べちゃうの、もう！」
ニカッと笑った洋平に吹き出したフリして
目の端に滲んだ涙を軽く拭った。
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叢雲(プロフ) - うさとーくさん» ご覧いただきありがとうございます。オトナ作品ですのでログイン後に検索してください。また、マイページの設定でご自身の年齢設定、検索の表示も確認してみてください。 (2018年8月28日 18時) (
レス) id: b51fbc666b (このIDを非表示/違反報告)
うさとーく(プロフ) - Under Groundで検索したら出てくるでしょうか？（；＿；) (2018年8月28日 12時) (レス) id: d19724bb2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年6月22日 0時
