【ﾛ兄鬼2】零時に会いましょう (ページ17)

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「びっくりしたぁ…」

kn「あー、すまんすまん」

ut「お前大声出す時は言えって言うとるやろ！」

シッマに負けず劣らず
怯えてた目は何処へいったのか
いつもの巻き舌で声をあげる大先生

tn「鼓膜破れるかと思ったわ」

syp「破れましたわ、ね、Aさん、チーノ」

「うん、破れた」

ci「今度奢ってもらいましょう」

「せやな」

ut「Aちゃんの関西弁…きゅん」

あほか、だなんていえば
息苦しいほど重たかった空気が
少し澄んだ気がした

離れたところからクツクツと
緑の彼、独特の笑い声も聞こえる

zm「俺もある、傷」

顔を上げた彼の目には
ほんの少しだけ光が宿っていた

そそくさとシャツを脱ぐと
彼もまた、背中に1つ
大きく残されている傷跡を私たちに見せた

目の前で苦しむゾムの歪んだ顔が
瞬間的に鮮明に蘇る

嫌な汗が伝って、呼吸が浅くなる

zm「Aのせいじゃないから」

「で、でも」

ポンっと肩に手が乗せられる

昨日の冷めゆく温度とは違う
確実に温かくて、そこに在る感覚

zm「Aを、守りたかっただけ
　 ……友達の大事な人やから…」

続けて何かボソボソと呟いているも
それが聞こえることはなく

「…え？」

と聞けば

zm「なんでもない」

と、尖った歯を見せて笑った