25.嘘をつくな ページ25
屋敷の中に入ると、1人の男が最初にジョングクに話しかけた。
風貌と話しかけ方からするに、側近だと思う。
それにしても白い人だなあ。
まるで天使のよう。
？？「お帰りなさいませ。」
JK「ただいま〜、ジミニヒョン。」
JM「ところで、そちらのお方は？」
ジミニヒョン、と呼ばれた男が 、私を観察するようにじっくり見て、ジョングクにたずねる。
あ、挨拶しなかったら、礼儀がなってないって、殺される。
私は慌てて頭を下げて、
A「挨拶もなしにすみません！私は、ジョングクさんとお付き合いさせていただいている、」
JK「違うよ、妻だよ。」
A「はっ！？」
こっちが殺されないように必死に挨拶してるっていうときに、本気なのか冗談なのか分からないことを平気で言ってくるこの男。
付き合うのやめれば良かったかも。
A「えっと、気にしないで良いので…。あ、キム・Aといいます。」
JM「ご結婚済みでしたか…。これは失礼いたしました。」
A「いや、違います！結婚してないです！」
JK「ひどいなあー、A。」
A「あなたは黙ってて。」
JM「私たちのことはお気になさらず。」
JK「うんありがとう。じゃあ行こっか、A。」
A「いや、えちょっと…。」
側近のジミンさんに私たちが結婚しているという謎の誤解を解く暇もなく、部屋に連れていかれる。
とても奥にある部屋なので、やはり組長の部屋なのだろう。
ジョングクに、少し強引に押されながら入った組長部屋。
なにか特別なものがあるわけでもなく、普通の和風部屋だった。
広さも、めちゃくちゃ広いわけでもないし。
部屋の中をじっくり見ていると、ジョングクが得意気に、
JK「ここ、見てみな。」
そう言って、壁にくっついている天井近くまである本棚の、ちょうど私の腰くらいにある段の本を指さす。
近寄って見てみれば、1つの本だけがなにか不自然だった。
まるで、本物じゃないような。
A「これが、どうかしたの？」
JK「これ、この本、ぐっ、て奥に押してみな。」
意味ありげに笑うこのむかつく男は、顔が良いだけに全てが格好よく見える。
世の中は不公平だ。
言われた通りに、本を押す。
かち、と音がしたと思うと、本棚が左右に開いていった。
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作者名：もぐもぐどよち | 作成日時：2023年2月5日 21時
