3.出会いたくなかった ページ3
ある日の休日、一人でショッピングに出掛けた私。
お気に入りのブランドのマスカラが出たらしく、速攻買いに来ると決めていた。
買い物が終わり、レストランでランチを食べて、もう家に帰ろうかなあと悩んでいた時に、喧嘩しているような声が聞こえてきた。
思わずそちらに体を向け、向かってみると、男二人が掴みあっていて、それを一人の男が止めようとしていた。
うわあ、絶対関わりたくない。
そう思いながら、ここに来たことを今さら後悔する。
声も大きいので、ギャラリーが集まってきた。
そしてよく見てみると、喧嘩している男の一方は、腕にタトゥーが入っていて、見るからにヤクザっぽかった。
関わりたくないのもそうだけど、そういうヤクザのような人に、こんな公共の場で喧嘩して欲しくなかった。
周りの人に迷惑がかかることを知らないのだろう。
このままにしておくと警備員とかも来そうなので、私が止めに入ろう。
そう決めて、ヤクザと関わるのは嫌いだけど、こんなところで喧嘩されても困るしね、と自分を説得させて、歩みよる。
「すみませんが、ここは公共の場なので、そういった喧嘩は外などでしてもらえるとありがたいんですけど…。」
そう声をかけた私に振り向いた、二人を止めに入っていた一人の男。
振り向いた男の顔は、想像以上に整っていて、なんともいえないオーラを纏っていた。
一瞬の胸の高鳴りをおさえて、彼らの反応を見ると、
「あ?何の用だ。お前みたいな女子高生がよお。」
ちなみに、ヤクザに囲まれながら育ったため、こんな言葉には怯みもしないのが私だった。
そんな風に反抗してくるので、ちょっときつく言ってやろうか。
そんなことを考えていたとき、男の声でその場が一瞬で静まり返った。
JK「あの、僕と結婚しませんか。」
は?
この人今、結婚しようって言った?
この今の状態で誰に?
「あの、すみませんが今そんな話はしていないですし、あなたが誰と結婚しようと関係ないんですけど、」
JK「いや誰って、僕と、あなたがですよ。」
こいつ何言ってんの?
私たち会って一分もしてないですけど?
苛立ちをおさえながら、
「すみませんが、私はここで…。これ以上迷惑をかけないようにお願いしますね。それでは。」
これ以上関わったらいろいろヤバそうなので、さっさと退散する。
しようとしたのに、私の腕を掴んで引き止める彼。
ヤクザなんかを格好いいなんて思ったことなかったのに。
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作者名:もぐもぐどよち | 作成日時:2023年2月5日 21時