あなたを好きになるわけがない【JK】 (ページ16)

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16.説得力のある言葉とかページ16

合コン当日の週末土曜日。

ユラ「いやあ楽しみだわ～。」

私が合コンに行くのが初めてなので、一回ユラの家に集まってから行くことになっていて、メイクとか服もろもろもユラが選んでくれた。

ユラ「よしメイク終わり～。やっぱりAは世界一の美女。」

いつもなら絶対に着ないかなり露出の多い服に、いつもより濃い目のメイク。

なんだか鏡に映る自分が違う誰かのように見えてきて落ち着かない。

「ちょっとマスカラ濃くない？？」

ユラ「Aが薄すぎるんじゃないの？でも合コンはこれくらい付けなきゃ！」

「そうなの？」

とりあえず合コン経験者のユラの意見には従っておく。

でもさすがにこんなに胸元の開いた服は私に着こなせないし、スカートも太もも見えすぎだし、アウトじゃないの？

しかし言ってもユラは聞き入れてくれなかったので、最終的には諦めることにした。

「どんな人が来るの？」

ユラ「えっとね、超イケメンな人。」

「もっと具体的に！」

ユラ「うーん…。雰囲気からやばくて、モテそうで、顔が彫刻で、オーラも半端なくて、全人類から愛されそうな人、かな。」

「例えば、ジョングクみたいな？」

ユラ「…そうそう！！まさにジョングクさん！」

「そっか、でも、ジョングクが来てくれたら良かったのに。」

あれ、私今なんて言った？？

焦ってユラを見ると、少し驚いた顔をしたあとに、ふ、と笑って、

ユラ「やっぱり気になってはいるんだ？」

そうからかうように尋ねられて、今のは無意識に言ったって言い訳をしたら、

ユラ「でも無意識に言ったってことは、気になってるから思わず口に出ちゃったって感じでしょ？」

そんな風に正論で返されると、返す言葉がなくなってしまう。

でも、とユラは続ける。

ユラ「正直、Aは自分の心にもっと素直になったほうが良いと、私は思うよ？Aは昔から、自分の気持ちを押し殺すことが多かったし。今だってそうでしょう？ヤクザだから嫌いってなってて、もしかしたらAはジョングクさんっていう一人の人間を好きになっているかもしれないんだよ。Aが、好きとか関係なくて、絶対にヤクザとは関わりたくないって思ってるのなら、無理強いはしないけどさ。思いを自覚しただけでもえらい気はするし。」

彼女の言葉に思わず涙が出そうになった。