あなたを好きになるわけがない【JK】 (ページ1)

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1.彼氏の惚気からページ1

朝、教室に入ると、待ってましたといわんばかりに近寄ってきた親友のユラ。

ユラ「聞いてよA～。この前、彼氏の集まりがあるって言ったじゃん？」

そうだっけ？

ああ、ヤクザの。

「言ってたね！それがどうかしたの？」

ユラ「それが昨日だったんだけど、彼氏が喧嘩に巻き込まれて～。」

ユラの彼氏を否定するわけではないが、やはりヤクザは暴力でしか物事を解決できないのだろうか。

「体が大丈夫なら大丈夫なんじゃない？」

ユラ「でた、Aの毒舌。まあ、そういうところが誰にもなびかなくていいんだけどさ。」

誰にもなびかないのは合っているかもしれないが、毒舌はひどいと思う。

ユラ「でもごめん、あんまりヤクザの話しない方がいいよね。これから気を付ける。」

私のヤクザ嫌いを知っている彼女に気を遣わせてしまい、反省する。

「いやいや彼氏の惚気は聞くよ！」

ユラ「そう？ありがと！」

私たちが住む町には、かなりの数のヤクザグループがあり、その中でもトップを争っているのが、"BTS"と"TXT"だった。

ちなみにユラがヤクザの彼氏と出会ったのは、数ヵ月前。

道で迷っていたところを助けてもらい、一目惚れ。

その場で連絡先を聞き、連絡を取り合うようになって、彼女から告白したら即OKだったらしい。

私の知っているヤクザっぽくなくて、気さくな感じの若者だった。

それでも私がヤクザを嫌い続けている理由は、父が関係している。