セツナキオモイ【踊り手】

〈番外編2〉【まりん】 ページ36

ASids
何が起こったのか分からなかった。
ただ一つ分かるのは、自分が生きているということ。
『っ！！……な…んで…助けたんですか……』
？「怪我は…ないみたいやな。……どうして…こんなこと……」
『……地獄から逃げることの何が悪いんですか！今まで私は沢山辛い思いをしてきた。それなのに、あなたはまだ辛い思いをしろって言うの？もう、もう十分でしょ？もういいじゃない！これ以上、こんな世界にいたくない！』
？「……本当に、もう十分やな。君は、もう十分苦しんだ。俺には君が今までどんな世界で生きてきたかは分からんけど、今の話を聞く限りすごく辛くて、苦しい世界だったんやと思う。でも…俺は、君にこのまま死んでほしくない。このまま死ぬなんて、もったいないやん。どうせ死ぬなら、明るくて、楽しい世界を見てから死なないか？」
『………』
ま「俺はまりんっていうんやけど……俺の家、来る？」
『え？』
ま「今日初めて会ったやつの家って、ちょっとキツイかもしれないけど、今の生活よりはずっといいやろ？」
『……いい、ん、ですか……』
ま「ダメなら言わんやろ。」
『……なんで…今日会ったばっかりの私にそんなに優しくするんですか？』
ま「…助けたい…って思った。それだけやけど。君、名前なんていうん？ほら、知っといた方が色々便利やろ？」
『……A。』
ま「A…ちゃん？A？」
『呼び捨てでいい。私もタメ語で話し……て、いい……ですか……』
ま「おう。一緒に暮らす上で敬語ってやりにくいやろ。」
『……うっ…グスッ…うっうう…うっうわああああああああん…ああああ！』
ギュッ
ま「よく頑張ったな。お疲れ様。……もう、絶対そんな思いさせないから。俺が……………幸せにするから。」
もう何年も人の暖かみに触れてなかった。なのに、今日会ったばかりのあなたは、こんなにも私に優しくしてくれたし、
誰かの腕の中で泣くなんてしたことなかった。こんなに暖かくて、安心するんだね。
それに、あなたは気づいてないかもしれないけど今の言葉って、まるで………
『プロポーズみたい。』
ま「え？………あ。///」
『あ、あの……』
ま「ん？」
『……あり……がとう。……その…言ってなかったから…///』
ま「///……お、おう///……Aのこと助けた理由、もう１つあるで。」
『何？』









ま「Aに………一目惚れ……したから。」
end

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