それは全て、あなたのせい。【ars】 (ページ23)

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「時代は絶頂の中常に最先端を突っ走る

　新たなモノを生み出しては古きモノを捨てていく」

乱雑にも聴こえる

その歌声は決して、乱雑なんかじゃなくて。

「繰り返す何度も立ち止まる何度も」

気持ちがいいくらい

ぷつんと音が途切れて、

街の騒音も聞こえなくなる。

「忘れられて消えてゆくもの儚く魅せて散るだけなら

　何も見なかった事にしてただ見守っていて」

いつもと違って、俺の方なんか見向きもしないで。

「おやすみなさい」

歌い上げた横顔が凛々しかった。

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この歌を、君が作ろうと言いだしたのには驚いた。

まさかこんなにも君の雰囲気とは違った

世界観を自ら作りだそうなんて言うとは思わなかったから。

俺が紡いだ音に君が詞を乗せて。

まるで訴えるような眼差しを、

横から眺めていた。

ちょうど数人が立ち止まったけど、

その時にはもう君は深々と頭を下げていた。

拳を力強く握り締めて。

　◆◇ Fin. ◇◆