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晶哉「……やっぱ、Aちゃんや、」
A「…、ぁ、」
晶哉「髪色変わっとったし、切っとるから違うかと思った、」
A「……佐野くん、なんで、」
晶哉「なんでって、、楽器見にきただけやけど…」
急に悪いことしているような気分に襲われる
…悪いことじゃない、はずなのに。
後ろめたさが付き纏っていた。
なんとなく、育ちがいいんだろうなぁっていう雰囲気がある佐野くんがここにいるのは納得だった。
…逆に、高級なお店が並ぶこの場所ではきっと私は浮いてるんだろう。似合わないなんかじゃない。
場違いなんだ、きっと。
晶哉「…正門先生も、僕も待っとるよ、Aちゃんのこと。」
A「…、」
晶哉「知っとるよ、Aちゃん家に何日も戻ってないやろ」
A「……何が言いたいの、」
晶哉「なに、って…、心配なんよAちゃんが。」
A「この人の、…誠也くんのとこにいるから、佐野くんは心配しなくても大丈夫だよ」
庇うように人影が前に立った。
誠也「なんなんお前、探ってくんなや。…関係ないやろ、お前に」
ピリ、とした緊張感が走る。
…なんだか嫌な予感がした、小島さんのところに行った時と同じような雰囲気。
誠也くんが、私の話を聞けなくなってしまうあの感じ。
佐野くんがじーっと、誠也くんを上から下まで見る。
…濁りのない、真っ直ぐ育ったんだろうなっていう佐野くんの目が苦手だった。
私を映すには、綺麗すぎるから。
晶哉「…そっちこそ、Aちゃんの何なんですか？」
誠也「…っ、俺は、Aの…」
誠也くんが少し言い淀んだ。
たしかに、誠也くんと私って…
…名前が付いてるような関係じゃない。
晶哉「平日に学校行かせとらんのに、大きい顔せんといてよ。」
誠也「お前やって見て見ぬふりしとったやろ！
Aがどんなことに巻き込まれてるかなんとなく分かっててなんもせんかったくせに、偉そうな顔すんなや！！」
子供みたいに誠也くんが怒鳴る。
痛いところ突かれて、反抗してるみたいに。
いつもは冷静に見える誠也くんからは考えられない姿だった。
…怖い、怖くて、止めれない。
叫ぶ姿が母親と重なって、次は、次は……殴られ、る…？
A「…や、やだ、やめて…っ！」
耳を塞いでしゃがみこむ。全部全部、切り離したい。怖い。怖いよ。助けて…！
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作者名：こひな | 作成日時：2023年11月6日 0時
