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行きと帰りで交換したみたいな私たちの髪色。
まだ残ったままの染髪剤の香りで、なんとなくテンションが上がる。
…ない？そういうの。
髪、染めたなぁ。みたいな。
染めるの、初めてだったからかな。ちょっとウキウキする。
誠也「…この後は、また小島んとこ行って写真撮らなかんのだけど、」
A「…写真？なんで？」
誠也「…あーー、えっと、まぁ…Aの保護の関係。
写真撮るんは俺だけやし、Aは先帰ってもええよ？」
A「えー、せっかく外出たし着いてくって！」
キラキラとした高層ビルが立ち並ぶ通りを2人歩く。
…誠也くんは似合うけど、私はちょっと似合わない。
子供だからかな。誠也くんみたいに大人っぽくないから。
A「はい！」
誠也「なんなん、その手は笑」
A「手、繋ぎたい。…いいでしょ？」
まだまだ素直とは、ちょっと遠いけど
たまーにこうやってわがままも言えるようになった。
セナの散歩の時も、“手つなご？”ってお願いする。
……誠也くんは、笑いながら繋いでくれるけど、
もちろん誠也くんから“繋ぎたい”なんて言われたことない。
その余裕のある感じが少し嫌いで
……苦しかった。
？？「…………Aちゃん？」
少し浮かれたのを現実に戻す、聞き馴染みのある声がした。
A「……っ、佐野くん、」
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作者名：こひな | 作成日時：2023年11月6日 0時
