あなたの隣で眠らせて2 Seiya.S (ページ7)

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A「なんで急に髪染めるの？」

誠也「あー、、、気分…？」

A「…ふーん、、
あれ、何色にするって言ってたっけ？」

誠也「黒やけど」

A「……………え、就活？」

誠也「ちゃうわ、あほ。」

誠也くんに付き添うようにやってきた
誠也くん御用達のヘアサロンは、明らかに高級そうな外観をしてた。

………髪切るだけでも、えらいお金かかりそう。。

誠也「…Aは？」

A「へ？」

誠也「切らへんの？その髪。」

指の長い手で遊ぶように髪をすくい取られる。

誠也くんと同じシャンプーの香りが微かに広がった。

…少し目を細めて、柔らかな表情を浮かべる誠也くん。

そんな顔、しないで欲しい。

………勘違いしそうになるから、

・

A「……」
　

『Aの髪は本当に綺麗ねー、私と“お揃い”で。』

母親にも褒められたことのある、
長くて艶々とした黒髪は私の自慢だった。

…自慢だったし、褒められるために伸ばしてた。

母親は幼い私の髪を結ぶのが好きだったから。

だから、結んでくれなくなっても、
高校生になっても、伸ばし続けてた。

ねぇ、縛られてるのはどっち？
髪？それとも、心？

A「…切る。」

A「切りたいし、染める。
誠也くんが黒髪にするなら、私は金髪にする。」

……これは、決別だ。