あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ46)

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小島「……うん、証拠としても充分やと思う。
えーーっと、な、ほんまにごめん。」

“酷やと思うけど、もう一回家に戻って欲しい”

きっと、酷い顔をしてたんだと思う。

小島さんは私を気遣うように、恐る恐るそう言った。

小島「…色々、手はあるし、なんかあっても俺がどうにかするつもりやけど……」

小島「Aさん、さっき“お母さんが元気になったら、一緒に住みたい”って言うたやろ？

…ほんまにそうしたいんやったら、Aさんが家から警察に通報するんが1番えぇねん。」

A「あの…他の方法ってなんなんですか、？」

そう尋ねると、小島さんは襟元を正して唇の端を少し上げた

…悪い顔。

小島「…なぁんでもできるで？

Aさんだけ助けて、
お母さんのこと“放置”する、とか。

お母さんを警察に逮捕してもらう、とか。

あくまで、俺は“Aさんを保護すること”しか誠也くんから依頼されてへんし。」

ニコ、と音でもしそうなくらいの
わざとらしいアルカイックスマイルを浮かべて

私を楽しそうにじーーっと見る小島さん。

吸い込まれそうなほどの、黒い大きな瞳が怖かった。

誠也「……親のこと恨んでるんとちゃうやろ、Aは。」

A「うん…、たぶん」

小島「ほんまに？…へぇ、、そういうもんなんか。
憎んだり、恨んだりしてもおかしないで、こんなんされとったら。」

誠也「そりゃ、そやろ。」

・

誠也「…無条件で愛するんは、親やなくて子供なんよ。

子供は、親を無条件で愛してしまうんよ、
親に愛されたいから。」

聞いたことのない冷たい、声だった。

…けど、声からは想像できないような悲しそうな目をしてた。