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丈「うわ、！びっくりした…！Aちゃんやん。」
A「…じょーくん、、」
丈「そんな店の前で座り込んどらんと、中入り？」
……誠也くんに会いたい、
その気持ちだけで私は逃げるように家を出てバーに戻ってきてた。
持ち物は初めて出会った日よりも少ない。
バックも持たずに、録画データの入ったスマホと財布、それだけ。
丈「Aちゃん、いつから店の前おってん？」
A「……………さっき来たとこ。」
丈「ほんまは？」
A「……午前中、です」
あんなに行きたかったはずの学校には足が向かなくて、
予想通り、ではあったけど母親のせいで一睡もできなくて。
誠也くん家に行く、とか
誠也くんに連絡する、とかも考えたけど…
誠也くんが、どんな仕事してるのかすら知らない私は
…迷惑じゃないかな。って思ってしまった
丈「ほんで、ずーっと店の前で座っとったと。」
A「はい…」
丈「…Aちゃん、16なんやって？」
A「そうです、けど…何で知って、、」
丈「末澤から聞いてん。
…あんなぁ、Aちゃんはもっと…」
“大人のこと、頼りぃ”
丈くんは、穏やかに微笑みながらそう言った。
・
…悔しかった。
丈くんは何も知らない、私がどんな思いで耐えてきたのかも。
私にとっての選択肢が少なかったことも。
A「…頼れる人がおったら、こんなことになってないです。」
A「丈くんだって、助けてくれないくせに」
A「…勝手なこと、言わないで。」
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作者名：こひな | 作成日時：2023年9月23日 21時
