あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ4)

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関西に引っ越してきたのは、母親の不倫が原因だった気がする。

気がするっていうのは正直私も自信がないから、いろんな『理由』がありすぎて。

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『ねぇねぇ！Aちゃんのパパって〇〇ちゃんと同じなのー？』

A『そんなことないよ！だって、A、パパのお顔知らないもん！』

『えーーー、でも〇〇ちゃんのパパとAちゃんママがチューしてるとこ見たよ！』

…幼い頃の記憶は歪な物で埋め尽くされてる

物心ついた頃には父親はもう居なかったし、母親は不倫や略奪を繰り返すことで安心感を得ていた

　

…もちろん母親は実家と仲が悪くて、生まれてから一度もおじいちゃんやおばあちゃんに会ったことがない

だから、今の私には頼れる大人は1人もいない。

母親さえも、壊れてしまったから。

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『Aちゃん、大嫌い。Aちゃんのママのせいで、ママと、パパと、わたし一緒にすめなくなっちゃったんだよ！』
　

A『……』

『Aちゃんのママって気持ち悪い。なんで、パパを盗ったの！』

何回も何回も繰り返していたその行為は、運が悪いときには

…私の友達の父親を奪うことだってあった

中学を卒業する頃には街全体に『私の母親がおかしい』という噂が広まっていて、

表立って仲良くしてくれる子はいなくなってたし、

私と母は腫れ物扱いされていた。

いじめ、ではなかったけれど、陰口を叩かれることだって珍しくはなかった

それでも、仲良くしてくれていた親友がいてくれたから

なんとかギリギリ自分を保ちながら生きていた

___ちゃんと、自分はここに居ていいんだって思ってた、のに、

…

『…Aって、お母さんと顔そっくりだよね。

性格は似てないかもしれないけど、いつか、Aもお母さんと同じことするんだよ。きっと。』

…母親は彼女の父親に手を出した

いつもニコニコ笑っていた彼女に
引っ越すことを伝えたとき

睨みながら言われた言葉が今でも、耳から離れない