27* Seiya ページ28
Side 誠也
小島「…ついに昼に来るようになってもうたやんけ」
誠也「ええやろ別に、Aが学校行ってるうちに来たかってん」
小島「誠也くん、名前で呼んでるんや」
誠也「…」
小島「あ、黙ってもーた
次、昼来たら先輩かて金取るからな。ほんまに。
こっちは清廉潔白な弁護士やぞ。そんなヤカラみたいな格好で来んといてや」
誠也「…別に昼来たって変なこと聞いとる訳ちゃうし」
小島「今度は“児相に相談せずに、未成年を保護したい”やで、相当変やし、無理やってー、、血でも繋がってへん限り。」
小島「大体誠也くんは……」
ごにょごにょ文句たらったらの小島の話を聞き流しつつ、
存外2日でしっかりと纏められた報告書を見つめる
勢力図がコロコロ変わるこの町では、言わずもがな人間も頻繁に入れ替わる。
…25年前〜17年前のスナックの在籍調べるなんて至難の業やと思ってたから、あんまり期待はしてへんかったんやけど、思ったよりも情報が埋まっていた。
小島「この街が1年で人間どんだけ入れ替わると思ってんねん80%は変わっとるやろ。ほんまにどれだけ俺が走り回ったか！
角や琉巧にも動いてもらったんやから、感謝してな？？
…で、誠也くんの知りたい人はこの人やろ。」
がさり、と紙の束をめくると、トントンっと指を指した
“A ？？”
と書かれた名前の下には20年近く前のトレンドの髪型をしたA…いや、おそらくAの母親の顔写真
小島「…源氏名やったから下の名前までは調べきれんかったけど。
苗字はなんとか絞り込めたで。
ま、、、顔がここまでそっくりやったら当然やな。Aさんの母親や。」
小島「Aさんと在籍店舗も同じやったわ。……21年前〜17年前まで、4年間やな、そんだけ働いて、辞めとる。
ま、時期的にもAさんを身籠ったから、ちゃうかな。
…あ、そうや。去年戻ってきて、そこの店でまた働き始めたらしいんやけど、数ヶ月前に店に来なくなったらしいで。
在籍洗い出すために1人にそこまで時間かけれへんかったから、こんだけの情報やけど…集めとるとき、あんまいい話は入ってこんかったな……」
ほんま、コイツよう喋るな。
もう一つの紙の束を手に取る
“誘拐罪の立証について”
と書かれた不穏なタイトルは
俺とAに必要なもんやった
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作者名：こひな | 作成日時：2023年9月23日 21時
