あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ27)

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26* Seiya ページ27

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やっぱり俺って素直じゃないな、なんて思いつつ

心配してるのに、ぶっきらぼうな言葉と焦って次に何を言うべきか戸惑ってしまった結果

Aが出ていくのをしっかりとは引き止められずにいた

やけど、すぐに頼ってこないんは想定内やったし、あの夜の“見捨てないで”という言葉でもう充分やって確信しとった

…次は、絶対に俺を頼ってくれる。と。

それに、Aには“家に戻ってしてもらわんといかんこと”があったから。

　

誠也「無理だけは、したらあかんで」

A「……分かってるよ」

A自身、心も体も限界やって分かっとるやろうし、人に限界やって思われてるのも分かっとるはず

けど、“迷惑かけれない”、“ちゃんと学校に行かなきゃ”って考えが先に来てしまう環境で生きてきたんやろうな

…詳しく知らんとは言え、血に呪われとる奴は頼り方分かってない。
自覚してもらうんも含めて一旦帰すんはしょうがない。って自分に言い聞かせても心配なもんは心配

誠也「…ほんまに行くん？」

荷物をまとめたAについつい声をかけてしまった

A「そんな心配しなくても大丈夫だよ
えー、なに誠也くん私がいなくなるの寂しいん？？

…あ、私のこと好きになっちゃった、とか」

ヘラ、と笑って言うAはどこか力なさげで、やっぱりここでしっかり引き留めるべきなんやないかって思ってしまう

…ほんまは、帰りたくないんやろうに。

誠也「…アホ、そんなんちゃうわ。けど、丈も俺も店にはおるやろうし、

…………来たくなったら、来いよ」

A「…ありがとう。」

“なんかあったら、来い”と言おうとして思いとどまった。

……奇跡でも起きない限り、突然普通の生活には戻ることなんて無いんやろうけど、

最悪の事態、なんてことは起きひんとええな、って思ったから。

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誠也「A、…これは俺からのお願い、なんやけど…
頬の怪我、母親からやられた、言うたやろ…？

やから………」

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“Aが身守るためにも、何かあったら録画か録音して欲しい。”

“Aの今後に役立つと思うんよ”

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A「……………分かった」

“家に戻ってしてきてもらわんといかんこと”をお願いすると、
Aはこちらの意図に気づいたんか、気づいてないんか、分からんけど承諾した

………頼む。上手く、いってくれ。