24* Seiya ページ25
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Side 誠也
誠也「…!!!Aっ!!」
もっと早く帰ってこれば…、なんて後悔しても遅い
目の前には過呼吸になってるA
……相当苦しかったんやろう、首元は真っ赤に引っ掻いた跡があった
誠也「A、A、苦しいな…
大丈夫、絶対落ち着くから、
ちょっとだけゆっくり息吐けるか?」
生理的な涙をぽろぽろ溢しながら、首を振る
ダメや、完全パニックになっとる
・
誠也「…ごめん、嫌やったら後から殴ってや」
聞こえてるか、聞こえてるかもよう分からんAに一言断りを入れて、そっと抱きしめた
A「…はぁっ、はぁ、せ、やくん…ごめん、ハァッ、」
抱きしめたまま、背中を撫で続ける
……声も聞こえへん、前も見えとるか分からんなら
思い切ってゼロ距離で呼びかけるんが
1番手っ取り早かったんよ、許してや
A「はぁっ、見捨て、んで、…はぁっ、ケホ、、」
誠也「見捨てへん、絶対見捨てへんよ。
…やから、ふーーって息吐いて、な?」
A「…ふ、ふーーっ、ケホッ、はぁっ、…」
誠也「そうそう…、できとるできとる。
上手やで、?」
そんなことを数回繰り返し、落ち着いたかな?なんて思う頃には
力を使い切ったんか、Aは抱きしめられたまま
肩に寄りかかって寝とった
誠也「……っ、」
相当苦しかったんか、俺の胸元のシャツを強く握った皺
Aの手は離されないままやった
こんなん“どこにも行かないで”って言うとるようなもんやろ
誠也「…ほんまごめんな、」
涙の跡も、首の引っ掻き傷も痛々しい。
…Aが安心できる場所を見つけられるまでは、
俺が安心できる場所になろうと思っとったのに。
せめて、この後は朝まで穏やかに落ち着いて眠れますように。
そんな願いを込めて、Aの柔らかな髪をそっと撫でた
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作者名:こひな | 作成日時:2023年9月23日 21時