21* Seiya ページ22
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Side 誠也
Aに重い感情を抱いとうことを自覚した俺は、なんだか自分の家にも戻る気にもなれんまま
丈の店に戻ってきてもうてた。
丈「あれ、末澤。なんで戻ってきてん？
小島んとこ行ったんちゃうけ？」
誠也「行ったは行ったんやけど…」
丈「………どうしたん」
誠也「あのな、俺…」
“Aにえらい重い感情、抱えとるらしいわ”
…と、言いかけて口を噤む。
いくら10年以上の付き合い言うても、29歳が16歳に重い感情抱いとるなんてドン引きもんやろ。
やけに深刻そうな俺を見かねて、丈も静かに口を開いた
丈「…Aちゃんのこと、好きになってもうた。とか。」
誠也「そ、れは…ちゃうねんけど、、」
丈の言葉は完全に想定外。…なんで俺がAのこと好きにならんといかんのや。
好き、とかではない。断じて違う。
年も離れてるけれど、タイプでは無いし、
…いや、年齢やな。Aは妹…、もしくは転がり込んできた猫みたいやな、としか思っとらん。
重い感情は…ある訳やけど………。
丈「あ、ちゃうんや。てっきり好きになってもうてたのかと思ったったわ
Aちゃんと俺が話しとるとき、ほんっっっまにすごい顔したったで末澤」
誠也「え、？」
丈「……自覚なかったん？ま、やから俺がお前んち連れてきいって言うたんやけど」
そういえば、丈に唆されてAを俺ん家に連れてったことを思い出す
面倒ごとにはあまり関わりたいタチでは無いのに。
丈「…Aちゃんと同じで末澤も整理できないんと違うか？
末澤は元々世話焼きややし、お人好しやとは思うけど、、
俺に言われても気にしんと、テキトーなホテルにAちゃん放り込んだらよかったんに。
…そう末澤が、せんかったんが全てちゃう？
好きなのかは置いといて、Aちゃんは他の女とは違うってことなんやろ？」
的確に痛いところを突いてくる丈。
さすが長年の付き合いなだけあるわ、こんなとこまで見抜かれたくはなかったんやけど…
誠也「…そう、やね。恋愛感情では無いんやけど、特別…うーん、、特別、は、ちゃうな、、なんやろ…あのー、、」
丈「もうちょっと考えや笑
ほんで、Aちゃんは今も寝とるん？」
誠也「そうやと思うで、
なんかあったら連絡してく……あ、」
丈「？」
誠也「連絡先交換してへんわ」
丈「アホ！！！今すぐ帰り！！！！！」
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作者名：こひな | 作成日時：2023年9月23日 21時
