あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ3)

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チャイムがなって、クラスメイト達はバタバタと帰る準備をし始める

何人かは、『カラオケ行こー』とか『〇〇食べにいこ』なんて言っているのが聞こえて唇を噛んだ

…羨ましいけど、お金もないし、

お母さんも心配だから、私は早く帰らなきゃ。

純粋に学校生活を楽しめるみんなとは違う、私はこうするしかないんだから。

A「……もう、やだな、こんな生活。」

靴を履き替えようと昇降口に入ったときに小さな愚痴が洩れた

そんな独り言が漏れるなんて思ってなくて、周りを見渡す

……最悪。文句、言いたいわけじゃないのに。

「あ、おったおった！！Aさーん！」

A「…なんですか？」

門に向かって歩いていたらクラスメイト何人かに呼び止められた

「今日、私たちこの後カラオケ行こーって話してたんやけど、良かったらAさんも来おへん？」

A「…ごめんなさい。私、用事あって」

「そっかぁ…、Aさんっていっつも忙しいやんなー。何しとるん？」

A「…バイトとか」

「えー！そうなん？なんか真面目そうに見えるから意外かも、うちの学校ってバイト禁止やからさ？」

「そうじゃん！バイト禁止だ笑笑
どこでしてんの？飲食？？飲食だったら今度みんなで行ってもいい？」

働いてることに麻痺しすぎて、高校がバイト禁止なことなんてすっかり忘れてた。

なんて、言い訳しよう、
先生にバレたらどうしよう、って

冷たい汗が背中を伝った

A「えー、先生に絶対言わないで欲しいもん…どうしよっかなぁ笑

……また今度教えるね！」

…夜の街にあるスナックで、働いてるんだよ。

なんて、答えられるわけもない。