あなたの隣で眠らせて Seiya.S (ページ19)

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18* Seiya ページ19

Side 誠也

丈「はぁ…！？16！？…16て、16やで！？！？」

誠也「ごめんな、丈。その流れ、今日もうやってしもてん」

丈「なんやねんそれ」

誠也「…まぁ、思ったよりも明るい奴やったわアイツ。

いろいろ押さえ込んでたんやろ、」

あの後、大した話も聞き出せず、Aについて分かってるのは

・16歳

・学校に通ってる

・スナックで働いてる

・ろくな飯を食べてない

くらいのものだった。

……Aが自覚してるのかは分からんけれど、あの様子じゃ精神的にどこにも行けそうには見えへんかった。

やから、スナックに欠席の連絡入れさせて、今はまた俺の家で寝とう

本人がはっきり『眠い』って言いよったんよ。

…昨日から8時間寝とったはずなのに、ご飯食っとる途中で『眠い、寝たい』って呟いて、少し目を離したらテーブルに伏せてぐったりとしていた

なにかから自分を守るみたいに。

それをなんとかベッドまで連れてって、欠席の連絡を入れさせて…

誠也「…まぁ、防衛本能の一種やろな」

丈「ストレス、感じてたんやろなぁ…

…でも、お前んちで寝とんねやろ？………どうする気や、匿うにも限界あるで。

下手すりゃ、捕まるで“末澤”が」

今の俺のしていることは、保護、と言っても、
母親の同意も無ければ、母親からAが暴力を受けている決定的な証拠があるわけじゃない。

やから、あの子の親や学校が動いたり、警察に見つかっては俺のしていることは“誘拐罪”として成立してしまう

あいつの店は、16歳雇って、飲ませとるなんて風営法に引っかかっとうこと分かっとるはずやから、目立つような圧はすぐにかけてこんと思うけど……、こっちも厄介やな。

裏にどこの組織がおるか分からへん。…個人経営で風営法破ってまで働かせるとは思えんから。

…慎重に動きたいけれど、正直あまり時間はなかった。

誠也「……知っとうよ、それくらい

まだ、今のままじゃ頼ってくれるか分からへん。自分でなんとかしてしまおうとしてまうと思うんよ。

やから、…2日や、2日でなんとかするわ。」

・

誠也「あ、せや。

…丈の家ってうどんのつゆに『砂糖』いれるか？」

丈「砂糖？入れへんけど…、」

誠也「…そか、ありがとうな」