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誠也「はぁ!?!?じゅーろく!?」
A「声でか…」
誠也「…じゅうろく、て、16やで、、!?」
A「だから、さっきからそう言ってんじゃん!」
緩んだ空気感の中、年齢を聞かれてそのまま素直に答えたらこうなった
誠也「若いやろ、とは思っとったけど。。せいぜい大学1回か2回生くらいやと、、
若すぎるのも考えもんやわ…酒も普通に飲んどうし、スナックで働いとうって……ほんまはあかんねんぞ、、」
A「…末澤さん、いくつなん。」
誠也「………29やけど」
A「えー、、うちの担任より年上なんだ」
誠也「えーってなんや。文句あるか?
…お前学校行っとん、、?」
A「行ってるよー、ちゃんと!今日は無断欠席しちゃったけど…」
末澤さんの少しオーバーなリアクションは凄い話しやすくて、楽しくて、
接待するための会話とは全然違って、人と話すのってこんなに楽しかったんだ。なんて。
A「…ねぇ、お前って呼ぶのやめて欲しいんだけど、Aって名前があるから、ちゃんと、Aって呼んでよ」
誠也「分かったわ、…ならAも『末澤さん』やなくて、名前で呼ばへん?」
A「えー、なんで、、丈さんは『末澤』って言ってたじゃん!!」
誠也「男なんてそんなもんやろが。……『末澤さん』、はなんか距離があって嫌やねん、」
…
距離、があって嫌…。
佐野『Aちゃん、そのアザどうしたん…?』
距離を詰めたくなくて、『佐野くん』ってずっと呼んでたけれど佐野くんはそんな私のことをどう思ってたんだろ…
ずっと、名前で呼んでくれてたのに。
誠也「…A?」
A「あ、ごめんちょっと…考え事しちゃってた
…えーっと、じゃあ、『誠也くん』でいい?…29歳にタメはなんか無理!」
ピロン、という音とロック画面に表示されたLINEの通知
…佐野くん、からだった。
佐野〈Aちゃん風邪でもひいたん?〉
佐野〈休むの珍しいから〉
佐野〈心配になってもうて〉
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佐野〈明日は待ってるから来てな?〉
無断欠席した罪悪感と、無邪気に待っててくれる姿に心がズキリと傷んで、苦しかった。
…ごめん、佐野くん。
そう心で謝って、私はそっとスマホを裏返して置いた
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作者名:こひな | 作成日時:2023年9月23日 21時